JICA海外協力隊の世界日記

井上幸一のクルシェヒル滞在日記

"旅ゆけば トルコの国に チャイの 香り" - 旅行シーズン開幕「Tourism Week」PART-Ⅰ

能天気なタイトルとは裏腹に、今、トルコへの日本人旅行者数は日本人が巻き込まれた不幸な事件などの影響で対前年80%減と壊滅的な状況にあります。そんな厳況下、今年で39回となるトルコの旅行シーズン幕開けとなる「Tourism Week」が415日から開催されました。昨年は文化観光局の存在感を示す格好の機会にしては残念な企画が幾つか催されただけでした。今年はユルドゥズ新局長自身も非常に積極的で、小職もカパドキア地域開発庁等外部組織も巻き込んで幾つかのイベントを提案し、実施の運びとなりました。メインイベントは415日~16日で開催された観光促進会議&ファム・トリップ(旅行会社招待の視察ツアー)です。15日のオープニングセレモニーには開会のご挨拶もいただいたJICAトルコ事務所の遠藤所長と小澤さんに加え中山SVがアンカラからお越しいただき、また、イスタンブールからHIS脇谷氏、Bontrip土屋氏、JTB根田氏、ネブシェヒルからMTIひとみ氏の各旅行会社の方々に加え、朝日新聞社イスタンブール支局長春日氏と幅広い分野の日本の皆様にご参加いただきました。第2部のプログラムではアナトリア考古学研究所の松村先生からカマン・カレホユック遺跡発掘について興味深いプレゼンがありました。

ファム・トリップは日本側とトルコ側の旅行関係者に対象を絞って実施し、宿泊ホテルではトルコ旅行の窮状や今後の見通し等日頃の垣根を越えた情報交換で遅くまで話に花が咲きました。翌朝は皆さん4時半起きでラムサール条約にも登録されている「セイフェ湖」にフラミンゴと日の出見学に出かけられました(残念ながら大変な霧で希望は叶いませんでした)。朝食後、地下都市や旧神学校視察等二日目のプログラムがスタートしました。やはり、旅行の現役プロの目は違います。訪問の先々で思わぬ質問や鋭い指摘を受け、冷や汗の連続です。更には当方のスケジュール管理の拙さから十分な時間が取れない場所がでる不手際も時にあった中、皆さん温かい言葉を掛けて下さりながら随時離団され、二日間のイベントは何とか幕が下りました。非常に厳しい旅行ビズネス環境にもかかわらず、遠路クルシェヒルまで観光素材の発掘にお越しいただいた皆さんのご厚意と寛容なる応対に心から感謝します。

些か手前味噌になりますが、観光局では今回のような各地から旅行関係者等外部の方々(しかも、日本の)を招いたイベントは初めての経験であり、開催中も含め試行錯誤の連続でハラハラする場面も多々ありました。しかし、観光振興に対するユルドゥズ局長の熱意がその強力なリーダーシップと行動力で具体的な形となって実現した今回のイベントはクルシェヒルの観光振興に向けた第一歩が確実にスタートしたと言えるでしょう。小職も微力ながら少しはお役に立てたのかなと嬉しく思っています。他のイベントとしては、近隣県にあるエルジェス大学、ネブシェヒル大学と地元アヒエブラン大学毎の「Kırşehir Tourism Study Tour」に加え、25日~26日の12日でアンカラ在住のクルシェヒル出身者の財団とJICA関係者や在住日本人の方々の温かいご支援によるクルシェヒル合同ツアーも催行され、30名程が来訪されました。その様子は次回5月上旬にでも紹介出来ればと思います。

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