JICA海外協力隊の世界日記

井上幸一のクルシェヒル滞在日記

警察週間[Polis Week]のトレッキングイベントに参加

4月に入ってから雪が舞ったり霜が降りたりと冬に逆戻りしたような日が続きましたが、朝の冷え込みは厳しいながらやっと春らしい季節になってきました。少し古い話ですが、4月第2週は警察週間(Polis Week)ということで期間中各種イベントが催され、我々夫婦も知人のクルシェヒル県警Erdal局長から、今年のイベントの一つとして48()にクルシェヒル市内近郊の丘陵地で大学生や市民を交えたトレッキングを計画しており是非参加してくれとの依頼がありました(半ば強制的に)。但し、条件が一つ、それは日本の国旗を持参すること(日本代表?)。日土友好に微力ながら貢献できるのであればと快諾し、国旗もなんとか入手して、当日早朝集合場所に馳せ参じました。参加者は、警官20数名、救急隊員5名、アゼルバイジャンからの留学生10名ほどを含む大学生10数名、一般市民のトレッキング愛好家男性5名に我々夫婦の総勢40数名で。カミさんが紅一点で参加していることもあり、好奇の目と質問が集まります

折角の山登りですが、かなりの寒さと今にも崩れてきそうな空一面の陰鬱な雲。予定を大きく遅れて警察の中型バス2台に分乗、救急車の先導でいよいよ出発です。車に揺れる事30分、目的地DEMİRLI村に到着。アナトリア地方の典型的な鄙びた山裾の村です。周囲の山々にはまだあちこちに大きな雪渓が残っています。スタート地点でチーズと靑ピーマンのバゲッド、ジュース、小ぶりのリンゴに水1本を貰い、ぬかるむ山道を登り始めました。救急隊員や警官はユニホーム姿(仕事着)もままで、なんとマシンガンを持った警官2名も一緒に登っていきます。救急隊員や機関銃に守られての山登りなどめったに経験出来る事ではありません。道は結構急勾配で暫くすると道も無くなり、最年長の我々を気遣って先導の局長から「ヤバシ・ヤバシ(ゆっくり、ゆっくり)」と隊列に指示が出ます。そのうちにチラホラ雪も舞い始め、途中で休憩に入ると一挙に寒さが身に沁みます。2時間程ハァ、ハァ頑張って目指す標高1800mの山頂に到着です。早速バゲットを頬張り、ジュースを飲んで一息ついてから国旗のお披露目となりました。実は主催者側が撮ったトルコ、日本、大学、市の旗を持った全員の写真があるのですが、掲載できず残念です。しかし、風も冷たく寒いこと寒い事。ホッカイロが全く効きません。 

下りは上ってきたのと違う方向の全く道の無い斜面を滑って転げ落ちないように気を付けながらゆっくり降りていき、1時間ほどでスタート地点に戻り着きました。と、そこにはジャンダルマ(軍警察)の車が止まっており、若い隊員4名がマシンガンを担いで我々を出迎えています。また、地元の警官達が焚火に大きな鍋を掛けて何やらグツグツと料理を煮込んでいて、美味しそうな匂いが食欲を刺激します。こちらのポピュラーなチキン料理タブクソテです。傍らには「チャイ」沸かし器も3台湯気を立てています。割ったバゲッドにソテをドバッと入れてもらい、アイランを貰って好きな場所にてんでに座りランチとなりました。山頂で食べた大きなバゲッドが昼食だとばかり思っていたのですが、あれは「オヤツ」でした。こうして、ワイワイガヤガヤとひとしきり食事とチャイを楽しんだ後、Erdal局長の締めの挨拶があり、日本人夫婦の参加を喜んでくれて本日のイベントは終了となりました。都合、6時間半ほどの楽しい経験でした。こんな、地元の人達との楽しい交流が体験できるのもボランティア活動の余禄()ではないでしょうか。

次回の報告は下旬の予定です。

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