JICA海外協力隊の世界日記

伊藤のラオス奮闘記

ライバル出現!に意義あり?

 一大イベントが終了し日常が戻ってきました。

そこに、縫製研修に参加してくれ生産者さん2人がPMC(私の職場)に来訪。

HCF (Handicraft Festival) で一番売れた新作ポーチ約30個を作り届けてくれました!

なんと同僚が追加発注をしてくれていたのです。(泣きそう)

PMCやウドムサイをより良くして行こうと、私の事を信じて一緒に頑張ろうとしてくれている同僚。

あれだけ頑張った研修を無駄にしたくないという、継続的な意思がしっかり行動に現れているのだなと大変嬉しく感じました。

言葉ではなく行動で表す。同僚よ…!涙がでそうだよ私。私も見習わなければ…!

私の職場は女性の同僚1人、残り5人は男性。

こんな風に女性同士でワイワイしながら一緒に製品を作り上げる。この過程はとても楽しく、自分達が好きな事を楽しみながらやる。日々を豊かにしてくれるものだなと思います。

また、先月の縫製研修を行い、PMC製品の縫製を担当出来る者が増えたことにより、こんな反応がみられました…↓↓↓

もともとPMC製品の縫製担当者は2人しかいませんでした。

しかも2人中1人は自分の本職で忙しく、実質1人でPMC製品の縫製を担っている状態。(職場の職員ではなく、オーダーがあればお手伝いにきてもらう内職のような感じ)

同僚も、縫製を頼める人が少ないため、お客様からオーダーがあってもすぐに対応が出来ない、オーダー数が多い場合は縫製に時間を要してしまうなど困っていました。

また内職のようなものなので、稼げるお金はごくわずか。頼まれたから仕方なくやる。という雰囲気もありました。

しかし、今回縫製研修に参加した新たな縫製担当者から、「次のオーダーはないの~?」と催促が入るほどに。

それを見かねた元縫製担当者は「私の方が綺麗にできるわ」「オーダー数が多くても期限内にできるわ」と、やる気と自主性が生まれ、さらに今まで以上に丁寧な縫製がなされているではないか…!涙(ちょっとオーバーに言い過ぎたかも)

どの分野に関しても競合相手がいると人ってやっぱり刺激されるものなのですね。

  

持って来てくれたポーチ30個。

中には、縫製が雑なもの、チャックの向きがバラバラ、幅や長さに統一性がない・指定した色と違うオリジナリティのある色の組み合わせ・中布がよれているなどなど…

改善点は山盛りてんこ盛りです!

でも、ラオス人は仕事をみんなで楽しくしようと心がけています。

もちろん私や同僚は生産者に対して、あれやこれや問題点や改良点を伝えます。伝えるべきです。

「お客様はこんなところを見ているよ。」

「ここは改善した方がいいよ。」

でもここで学んだことが一つ

これらは機械製品ではない。彼女たちの手で一つ一つ作ったもの。

彼女達に少し、指摘・注意をすると「これは仕方ないんだよ、だって、~(理由)~だったから。次つくればいいよ」「これはこれで可愛いから売れるわよ」って良くないところを良くないって追求しない。

これは、ダメなところも心広く受け入れてくれるラオス人の性格そのものだなって。

指摘されるのは誰でも好きではない。

売りたいのは分かるけど、指摘されるのは嫌い。()

ただただ指摘する言い回しでは彼女達に全く響きません。むしろやる気を失わせる、一緒に仕事が出来なくなることもあるかもしれない。()

ここは上手く楽しく、相手をやる気にさせるように伝える工夫が必要です。

縫製研修でもじっくりしっかり実感しました。(笑)

言葉で伝える以外の方法として、

例えば、一定基準の綺麗さを超えたものでなければ買い取らない。これも一つの手です。

(職場も、村で製品を買い取る際は、極力この方法を意識しているそうですが…)

ただ機械で作ったような綺麗さを求めるのであれば、機械が作ればよいと思う。

機械で作られたものではないからこそ、機械のような判定を下すことも出来ない…

そこにも少なからず生産者のストーリーがあります。

また、それを認識している同僚は、一つ一つの製品をじっくり見極めて製品選定や価格決定をしています。

その辺りを上手く汲み取りながら、売る側(PMC)が上手くお客様に伝えていけたら。

と、最近は一方からの見方ではなく、双方からの視点で物事を見るようにもしています。

少しずつ、少しずつ、それが協力隊。

それに、現地のスピードとそぐわない事をしても結果としてその場限りの改善になってしまう。

ちなみに持って来てくれたポーチ30個には、「ミニアクセサリーを付けた方が絶対よい!」と私が一言。

同僚は即座に「アクセサリー付け直し!」とやり直しの指示。

楽しみながら、周りを巻き込ませる同僚。最高にかっこいい!

製品が沢山売れれば彼女達の収入源になるわけだから、売れる製品を作り続けていかなければ。

その為に必要な助言や工夫を一緒になって考え活動していきたい!と日々模索しながら楽しんでいます。

写真① 30個のポーチ達

写真② 女子(笑)が集まると職場が一気に華やか&あれこれ意見の言い合い

写真③ 縫製担当者と同僚 ライバルがいると意識もあがる

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