JICA海外協力隊の世界日記

伊藤のラオス奮闘記

ラオスについて感じた事

 ラオスの発展スピードはとてもとてもゆっくりしています。

「いかに効率よく、いかに無駄なく、いかに生産性高く…」

その思考がないからこそ、発展が遅い一つの理由なのだろうなと。

私がここに来て感じるのは、その生産性の高さが全てではない。

特に同僚と一緒に仕事をしている時にそう感じます。

先進国の日本では既に出来上がったレール、完成されたマニュアルがあり、余分なことを考える必要性もなかったり、間違いのない選択ができる事も多い。

ここにいるとそんなものは無くて、まだ、未完成のものばかり。

答えが無い中で、あっちへ行ったりこっちへ行ったり、そうやって一つ一つ階段を上がったり、時には下がったり、そうしてベストを見つけていく。

そんな過程が自分を心からわくわくさせてくれたり、もっと思考を凝らしてみたいという好奇心に繋がったりと…心を豊かにしてくれている気がします。

 そして何より「楽しく」仕事をする。無理はしない。

ある意味、向上心や闘志みたいなものがないのかなと思うこともありますが、大きな成果や目標を手に入れる為に、何かを犠牲にしたり、誰かを問い詰めたり、心や体の声を無視することはしない。置かれた状況、今あるモノに満足し、受け入れ、その中で自分達の心を満たすことができる。

それから「間違い」に対しても寛容で、失敗することは前に進む上で必要不可欠な行程であり、そうやって沢山の寄り道をしながら少しずつ少しずつ前に進んでいるように見える。

問題となる出来事や改善したい課題があったとしても、

それ以上に大切だと感じるモノ、コトがラオスにはあるんだなと。

最近はそう感じるようになりました。

ラオスは基本的に食事をする際も一つの器をみんなでつつく、ビールもみんなでスピードを合わせて飲む、何をするにも「みんなで」が良いんです。

というかそれが礼儀。(なのだと思う)

誰かを1人にしない、誰かを取り残すようなことはしない。困っている人がいたら、みんなで助け合う「スワイカン

※スワイカンという言葉は日頃ラオス人が頻繁に使用するところを耳にします。

そういう温かさを感じることが多い国です。

(その国民性は発展を妨げる一つ要素かもしれないけど…)

※もちろんこれらは私の個人的な意見で、場面によってはそうでない事も沢山ある。

(活動中は、何がスワイカンや!と思うくらい上手くいかない事は日常的(笑))

「発展」や「改善」は結果、自分達に大きな有益をもたらしてくれる。

ただ、大事な事を見失って心が置いてきぼりになるような発展をする必要性はあるのかなと。

日々の活動を通じて、文化や国民性の違いから沢山のモヤモヤや行き詰まりを感じますが…

何より自分のことを本当に1人の友人として、1人の家族として受け入れてくれたり、必要としてくれているラオス人がいて、凄まじいであろう片言具合でラオス語を話す私の言葉を一つ一つ理解してくれようとしながら一緒に頑張ろうとする姿を見ていると、やっぱり正解は1か100かどっちかという選択肢では出せないものであって、「ラオスの文化・考え方、日本の文化・考え方を上手く擦り合わせながら、目の前の現状と向き合い、寄り添い、小さな一歩を積み重ねていく。

11つの行動に答えを見出したくなる衝動に駆られますが、その小さな一つ一つの行動に意味はあるのかもしれない。

と最近感じた心境を記録しておきたいなと思い書かせてもらいました。(あくまで持論です)

残された日数を大切に…活動頑張ります!

※時々悟りを開きたくなる私をお許し下さい。()

写真①:ウドムサイの風景

写真②:仕事中でも体が疲れたらみんなでキンソム(おやつ)

写真③:ラオス流の食事方法はみんなで一つのお皿をつつきます

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