JICA海外協力隊の世界日記

伊藤 有信のメキシコ滞在日記

明るく楽しく賑やかなメキシコの「死者の日」

今回は、果物紹介から11月1日、2日にメキシコ全土で行われる「死者の日」を紹介します。「死者の日」は日本のお盆のような行事で、カトリック教徒たちの祝祭です。家族や親しい友人たちが集まり、故人を偲び、明るく楽しく祝う行事です。祭壇(オフレンダ)には、死者の花と呼ばれるたくさんのマリーゴールドや故人の遺影が飾られ、故人が好きだったパン、テキーラ、チョコレートなどの飲食物が供えられます。ただ、日本のような暗い感じがなく、死を怖いものではなく、亡くなった方々の魂を明るく迎え、一緒に楽しみたいという感じです。各家庭の建物の入り口から祭壇までは、写真のようにマリーゴールドで道が作られ、若者のたちは顔に骸骨のような化粧をしたり、ハローウインのような仮装もします。とても陽気な行事です。

また、カトリックの信者(カトリコ)の皆さんは、教会ではミサが行われ、お祈りをします。また、お墓参りにはお花やお線香のようなものなどを持参します。私も派遣先の同僚の家庭に招かれ、和やかにゲームをしたり、歌にダンスにと本当に賑やかな時間を過ごすことができました。さらには、故人との思い出などを楽しく聞くことができましたが、なにぶんスペイン語がまだまだ勉強不足であり、半分以上はわかりませんでした。ただ故人に寄せる思いはしっかり伝わりました。世界中、家族を思う気持ちはみんな同じです。これはお墓参りの時の写真ですが、両腕一杯にお供え用の綺麗なお花を抱え、お線香のようなものを燃やしていました。ここでもしんみりした感じはなく、明るく家族や親せきが会話をしていました。

11月1日は、派遣先の大学で日本で言う大学祭のような行事がありました。各学科では競い合って、オフレンダなどをつくり、学長が評価する企画です。私たちは、卓球部員の有志が図書館に集まってくれて、アニメーションやマンガ、音楽、日本語、折り紙、着物などの日本文化の紹介を講演やビデオなどを通して行いました。私の担当は、学生たちの夢や目標を持つことの大切さを理解してもらうために、季節外れですが七夕紹介をして、学生たちにそれぞれの夢や願いを書いてもらい掲示しました。貼ってくれた人たちには、学生たちひとり一人に、折り紙で作った栞へ名前を日本語で書いてあげました。また、日本から寄贈していただいた浴衣を希望者に着せてあげました。好評で時間内に全員には見せてあげられませんでした。日本の皆さん、できたら、映画「リメンバー・ミー」を鑑賞してみてください。ちょっとメキシコの「死者の日」を感じられるかもしれません。私の住んでいるホコティトランもとても寒くなってきましたが、皆さんも風邪をひかないよう体調には十分気を付けて過ごしてください。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ