JICA海外協力隊の世界日記

ラグビー隊員がインドで瞑想(迷走)日記

3部作完結 学び

202285

ナマステ。

5回目の投稿になります。

今回も前回の投稿の続きです。

全国大会に出場して思っていたような結果が出ませんでした。

大会出場前から色々と期待値を上げるようなことばかり言われ続けてきたこともあり、負けを重ねるごとに、負の感情が押し寄せてきました。

「まあ、こんなもんか。」という諦めで自分を落ち着かせて、視野を広げて大会を観察することにしました。

まず驚いたのは大会のレベルが高かった事です。

大会自体のオーガナイズ然り、出場しているチーム、選手が想像の10倍くらいレベルが高くて驚きました。

18歳以下の大会の概要:24州、男女含め45チーム、550選手

インド国内ほぼすべての州が大会に参加しており、U19歳以上の年代の大会も含めると1000選手以上が大会に参加しました。

(写真:18歳以下男子優勝チーム)

その中でも圧倒的な強さを誇る強豪州の存在や、インドラグビーの現状、日本人である私の見解として、良い部分や改善すべきなんじゃないかと思うような点等、多くの学びがここでもありました。

グジャラート州代表の結果は残念でしたが、今振り返ってもJOCVとして、この時ほど多くの情報が得られた場所は他に有りませんでした。

しかし、学びが多かったとは言え、自分のチームが負けることは非常に悔しい訳であります。

強豪州とグジャラート州を比べると決定的な違いは、7人制のラグビーを選手が理解しているかの違いであることに気付きました。

どういうことかと言うと、グジャラートの選手は7人制のラグビーを見たことが無く、今まで(U14時代に)練習してきたのはタッチラグビーです。

タッチラグビーと7人制の一番大きな違い時はタックルがあるか否か。

タックルがあるという事は戦術も、プレーの仕方も大きく異なります。日本では全くの別競技ですが、その違いは誰もが理解している為、大きな問題にはなりません。

つまりインドではタッチラグビーを最初に教える為、7人制はタックルがあると言われても試合の仕方が理解できないのです。

(写真:18歳以下女子優勝チーム)

なのでとりあえずタッチラグビーのように、パスを回し続けて、相手に触られないようにプレーをし続けます。しかし、タックルは避けようがないものなので、タックルされた後にどうしたらいいか分からずミスして、、、を繰り返してました。

その点、強豪州は7人制をしっかりと理解しており、それぞれのスタイルで戦術を磨いているのが手に取るように分かります。

そういった根本的な違いが結果に結びついてしまったということです。

前回お伝えした、学校にある全国3位のトロフィーやOBからの「こいつらは強いよ」発言はタッチラグビーの話であり、7人制の話ではなかったという事です。

そんなこんなで思うのは、自分が無知だからこそ生まれた勘違いで、それによって自分自身が苦しんでしまったということ。

人間、理解できないことに出会ってがんじがらめになって、それでも動こうとするとストレスが溜まる訳でありまして。インドみたいに全くの異文化で何か行動しようとするとストレスが尋常じゃないくらい溜まります。

そのストレスを解消するには、先ず「受け入れて」から「理解」して、それから「行動に移すこと」が大事だと思っています。

それを考慮すると、最初の1カ月間で「受け入れ」の土壌となる超貴重な経験をさせてもらい、その後の「理解」に繋がる出来事だったのではないかと思います。

インド・JOCVの洗礼を浴びつつ、自分自身の大きな学びになった1か月間の出来事を、第3回目投稿から今回までお伝えしました。

終わり

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