JICA海外協力隊の世界日記

ラグビー隊員がインドで瞑想(迷走)日記

苦しみの1週間

202271

ナマステ

4回目の投稿になります。

今回は前回の投稿の続きです。

任地で活動初日から大きな壁にぶつかり、どうすれば良いのか分からなかった1週間。

元々、ラグビーを教えるにあたって「日本式の導入」という大前提が自分の中にはありました。だからこそ、インドのラグビーに困惑しつつも自分がインドにいる「意味」を信じて1週間を突き進みました。

しかし、残念ながらやる気は空回り、言葉は通じず、選手からは舐められて言う事を聞いて貰えず、練習もまともに進められず。

無理やり練習をやらせようとすると、明らかに選手のストレスが溜まって、顔が引きつるのも見えてきます。

これが八方塞がり。。

1週間で判断するのは早いという意見もあるかもしれませんが、私はこのままでは何も上手くいかないと判断しました。

そこで、元々いる監督に素直に悩みを打ち明けて、「練習に選手として参加させて欲しい」とお願いしました。

日本式を導入する前に、インド式を学び、普段はどういった練習をしているのかを見て、体験するという、元々のプランに方向転換です。

監督も練習のカオス具合を見ていた為、お願いしたら比較的スムーズに了承してくれました。

そこで沢山の気づきが得られました。

写真:OBとの合同練習

その中の一つ、インドラグビーを語る上で外せないのがカテゴリーです。

インドではラグビーを3つのカテゴリー別に分けています。

14歳以下(U14)18歳以下(U18)、19歳以上(Over 19)のカテゴリーです。

大きな気付きの一つは、U14はタッチラグビーが正式競技であり、タックルがあるのはU18以降のカテゴリーのみ。U18以降のカテゴリーは基本的に7人制のみです。

これがどういうことかと言うと、私が学校に来たのはコロナ明け直後。つまり、選手は約2年間はラグビーの練習をしていません。

そして、私が1週間頑張って教えていたのは、16歳の学生たち、つまり2年前にはU14でタッチラグビーをやっていた選手。

練習をしていて、大会とかで優勝している実績がある割にタックル等、コンタクトプレーの基礎が全然ないことにずっと違和感を持っていましたが、ようやくその違和感が解消されました。

元々いる監督やコーチも、タッチラグビーは教えられるけど7人制は教えられないという事も判明。

話しが少し飛びますが、、

そもそも、インドにはカバディ―という人気スポーツがあります。

カバディ―は超簡単に説明するとボールのないラグビー。つまりタックルが中心のスポーツで、国民のほぼ全員がプレーできます(根拠無し)。

このカバディ―があるが故に、タックルやコンタクトプレーの練習は必要ないと思われている節があることも分かりました。

写真:カバディの試合風景

こんな感じで細かいラグビーの事を含め、この当時の毎日の発見量は凄まじいものがありました。毎日が発見の連続で、どこから手を付けていいのやら状態。

問題を見つけて直そうとしたら、また別の問題が浮かび上がって、、、、の繰り返しです。

トータルしてここで何が言いたいかと言うと、「情報無くして、発展は無い」という事です。

不本意ながらですが、初日からいきなり任せられて、情報がゼロの状態から日本式を単純に押し付けて、選手達も7人制を見たことも無い、つまり選手も持っている情報がゼロなのに、急に言葉の通じないコーチに新しいことを教えられて、カオスがカオスを呼び込んでました。

今考えれば当たり前の事でも、半年前はとりあえず前に進むしかありませんでした。

以上のこと全てが最初の1週間~2週間で理解したことではありませんが、イメージ的にはこんな感じでした。

そんなこんなで、任地に派遣されてから約1カ月後に開催される全国大会に向けて、一生懸命に情報を集めて、理解を進めつつ、練習指導にも取り組んでました。

2~3年前の全国大会で3位に入賞した時のトロフィーを見せてもらったり、OBが「今のU18チームは強いよ」とか言ってたりしてたので、「これがインドのトップレベルのラグビーなんだな」という理解で、期待値MAXの中で挑んだ全国大会。

結果は、、、、、、

男子:16

女子:13

どういう事なんだ。

続く

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