JICA海外協力隊の世界日記

ラグビー隊員がインドで瞑想(迷走)日記

活動のはじまり

ナマステ

3回目の投稿になります。

前回まではインドの紹介とインドのラグビー事情について、紹介しました。

今日は現場のリアル感をお届けしたいと思います。

先ず、任地に派遣されて最初に驚いたのはラグビーのスキルレベルが思っていたより高いことです。

「土埃が舞い上がる公園で、学校終わりの近所の子供を集めてラグビーをゼロから教える」みたいなことがJICA海外協力隊の活動であると覚悟していた私からすると、パスのスキルが高くて衝撃を受けました。

これにはいくつか要因がありますが、簡単に説明すると、グジャラート州ラグビー協会の現会長は、同州に初めてラグビーを導入した人物で、私の活動場所の一つでもある私立の学校のオーナーでもあり、この学校の部活動として運動神経の良い子供にラグビーを安定的に教えることが出来たので、スキルがゼロではないという事が主な要因でした。

「これなら練習もはかどるなー」と感じていましたが、協力隊活動はそこまで甘くありませんでした。

1カ月くらいは様子を見て、何が足りないか等を分析して、その後に選手スキルを始めコーチング等のブラッシュアップしていこうと考えていました。まあ、日本だったら普通のやり方かなと思います。

言葉も基本分からないので、コーチが使っている単語とかをまねしようと思ったりもしてました。

そんな自分の計画は初日から崩されました。

なんと初練習を丸投げされたのです。今だから他人事のように書けますが、当時の「なんだよそれ」感は凄かったです。

一瞬タッチラグビーしているのは見ましたが、具体的に何が必要な練習なのか等、全く分かりません。しかもコーチ・監督も不参加。

1人でどうしたらいいのか全く分からなかったので、自己紹介とかをしつつ、とりあえず思い付きで基本的なパスの練習からやってみました。

そしたら5分くらいで飽きはじめて、ふざけだしました。

これはまあ、予想通り。

協力隊に参加するにあたって、基礎練習とかはすぐ飽きられるだろうなーって漠然と思っていたので、ここまでは想定内。

直ぐに次の発展形のパス練習に移行。

次の練習は、最初のから少し変えた程度の内容でした。すると、選手はさっきよりも早い2分くらいで飽きてふざけ始めました。

「あれ?ちょっとペース早くない?」

思い付きでやってたので、このペースでやってると練習内容がすぐに尽きてしまうという焦りから、試合の一部を切り取ったようなドリル練習に移行。

日本ではハンドリングスキル練習の基本でお馴染みの2対1をやり始めました。

これなら発展も効くし、一安心だと思っていました。これが更なるカオスを生み出すとも知らずに。。。

参加人数は男女含めて30人くらい。

練習は2対1なので3人ずつ。

そのドリルを3カ所くらいでやり始めたので、1カ所に10人くらいの選手がいます。

そうすると、プレーしてる3人以外の7人は必然的に待機する形になります。

練習内容の説明もなんとか終わって、いざやり始めると、、、。

教えた通りにやってくれないのはもちろんの事、待機している7人が座って雑談し始めたり、なんか違う遊びを始めたり。

もう、何をやっているかの原形が分からなくなるくらいの混乱に陥りました。

この時の心の声は「まじかよこれ」、「どうすんだよ」です。

そんな状況で、一人の選手が「タッチラグビーやろう」って交渉してきました。

「いやいや、今パスの練習しようとしとるがな!」と思ったものの、収拾がつかないので仕方なしにタッチラグビー開始。

これ幸先悪すぎないか?って思いながら、一緒にタッチラグビーしてました。

そんな中、監督がやってきて「どうですかーうちの子たちは」みたいな感じで様子を聞いてきました。

「いや、訳が分からな過ぎです。想定よりも圧倒的に直ぐに飽きるし、ちゃんと説明したのに言った通りにできないし、待機してなきゃいけないところで座ったり寝転がったりするし。普通に無理です。」

なんて心の声は口には出せず、「皆上手ですねーー!!」って言いました。

日本にいる時からちゃんと想定して対応を考えていたつもりだったのに、いざ実践してみると圧倒的な無力感を感じ、色んな苛立ちを感じました。

で、、単に不満の吐き出しブログにするつもりは無く。

練習初日から半年経った今だから気付けることが沢山あります。

練習内容も自分のメンタル面も日本式をそのまま持ってきてしまったが故の弊害を生んでしまったと反省点だらけです。

物事には理由があり、それを理解しなければ先に進むことはできません。ということで以下、観察と話し合いと活動を続けている内に分かったこと。

・パス練習はすぐ飽きる = 基本的なパス練習は初心者がやることだと思っている。

・説明したのにできない = そもそも自分の説明を理解してなかった。

・待機できない = 今までそんな練習をしたことなかったので待機の仕方が分からない。待っているなら立っていなくても良いという考え。立って並べと言われれば出来るけど指示が無かったからやらなかっただけ。

まあ、これを見て「ああ、なるほどね」ってなったり、「え、どういうこと」ってなったりすると思いますが、これが主な理由でほぼ間違いないと思います。

この通り、インド式が分からなかった結果、様々な混乱が生じ、結果的に自分だけ凄い苛立つという状況が1週間続きました。

次回へ続く。

以上

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