JICA海外協力隊の世界日記

Sasa!ケニア・ティカ通信

選挙のおはなし

Sasa!みなさんこんにちは。
ケニアで環境教育隊員として活動している加賀瀬です。

7月に行われた第26回参議院議員選挙。みなさんは投票に行かれましたか?
私はケニアから投票しました!

みなさんは「在外選挙制度」をご存知でしょうか?
私たちJICA海外協力隊員などのように、長期間日本国外に滞在している人でも、日本の国政選挙に投票できる制度です。

外務省HP

今回、私はケニアの首都ナイロビにある、在ケニア日本国大使館へ行って投票してきました。

在外投票を行うためには、「在外選挙人証」というものが必要です。これは、日本国大使館の「在外選挙人名簿」に登録されるともらえます。
登録するには、その国に3ヶ月以上滞在している必要があります。日本を出国する前に、転出届の提出と併せて登録申請をすることもできます。

私の場合、日本出国前の登録申請ができておらず、前回の2021年10月の衆議院選挙の時は、まだ選挙人名簿登録がされていませんでした。
そのため、投票したくてもできず、悔しい思いをしました。
今回は満を持しての投票となりました。

投票方法には郵便投票もあるそうですが、今回私は大使館へ行って投票することにしました。
大使館の厳重な警備を抜け、館内に設けられた投票所へ向かいます。
投票所は、びっくりするくらいに日本の期日前投票所のような雰囲気でした。

選挙区・比例区の両方とも投票が可能です。
ファイルにすべての選挙区と比例区の候補者・政党がまとめられていて、それを見ながら投票します。
おなじみの投票用紙に鉛筆で記入。投票箱はありませんので、専用の封筒に収めて、大使館の方に渡して完了となります。

ケニア人の同僚にこの話をしたら、「電子投票じゃないの!!??」と驚かれました。「全部の国で、それをやるの...?」と。
在外ケニア人は電子投票をしているそうです。たしかに電子投票にした方が、在外日本人も投票しやすそうですね。

選挙つながりでいくと、今年はケニアの国政選挙の年です!8月9日に投票が予定されています。
ケニアでは、大統領・国会議員・郡(カウンティ)の知事・地方議員・女性代表の5つの役職について、5年毎に一斉に選挙が行われます。
今回は現職のウフル・ケニヤッタ大統領が任期満了となることから、特に大統領選が注目されています。

投票日は8月ですが、選挙戦はもう何ヶ月も続いています。ヘタすると去年から...
特に大統領候補たちは各地で大規模な集会を開催し、それが毎日のニュースを賑わわせています。
最近では知事選や地方議会選の候補たちが、街中で選挙活動をしています。大音量の音楽を鳴らしながらトレーラーが走り、その上で選挙スタッフなのか、支持者なのか、あるいは単に雇われている人なのかわかりませんが、何人もの人たちが踊っています。いかにもアフリカっぽいイメージの選挙戦です。
トレーラーの周りには何台も車やバイクを連ねており、道路をゆっくり走っていくので非常に邪魔です(笑)

ケニアの選挙で特徴的なのは、「女性代表(Women Representitive)」ではないでしょうか。
ケニアでも日本と同じく、国会議員に占める女性の割合が少ないことが問題視されてきました。その問題に対してケニアでは、各郡から1名ずつ女性代表を選出しているそうです。
ケニアには日本と同数の47の郡(カウンティ)があり、そこから各1名、全47名の女性代表を選出。彼女たちは、国会議員と同じように活動しているようですよ。

他のアフリカ諸国とも共通しますが、ケニアでも選挙時期は国内が荒れやすいようです。
2007年の総選挙後には「選挙後暴力(Post Election Violence=PEV)」と呼ばれる紛争が全国規模で発生。暴動や襲撃事件が多発し、独立後最大の大混乱となってしまったそうです。
前回の2017年の選挙でも、小規模とはいえ死傷者が出ていますし、選挙の不正の申し立てがあり、再選挙が行われています。
今回の選挙は平穏無事に終わると良いですが...どうなるでしょうか?
それではみなさん、Kwa heri!

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