JICA海外協力隊の世界日記

Sasa!ケニア・ティカ通信

フラミンゴの湖

Mambo!みなさんこんにちは。
ケニアで環境教育隊員として活動している加賀瀬です。
今回のブログでは、以前にボゴリア湖とナクル湖という湖を訪れた時のことを書きたいと思います。

このブログを読んでいる方の中には、「ヴィクトリア湖から100万羽のフラミンゴが一斉に飛び立ち空が暗くなる...」(大意)といった歌詞の有名な歌をご存じの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にはヴィクトリア湖ではフラミンゴは見られないそうです。
これには、フラミンゴのエサが関係しています。

フラミンゴは名前の由来(ラテン語で「炎」の意味)にもなっている、ピンク色の鮮やかな体色が特徴です。この色は、フラミンゴのエサである「藍藻」あるいは「シアノバクテリア」という生物に由来しています。
藍藻というのは光合成を行う菌類ですが、これがケニアにあるアルカリ性の湖で大繫殖するそうです。
ヴィクトリア湖はアフリカ大陸で最大、世界では第3位の広さの湖で、淡水湖です。淡水湖であるために、フラミンゴのエサとなる藍藻類の生息環境には適していないわけです。

では、ケニアのフラミンゴはどこで見られるのでしょうか?

ケニアでフラミンゴが見られる湖はいくつかあり、冒頭で挙げたボゴリア湖とナクル湖でも見ることができます。
この2つの湖は、どちらもユネスコ世界自然遺産「大地溝帯にあるケニアの湖沼群」に含まれます。世界遺産の湖なんですね。
(ちなみに、ケニアには3つの自然遺産と4つの文化遺産、あわせて7つの世界遺産があります!知っていましたか?)

アラビア半島からモザンビークまで、アフリカ大陸東部を縦断する総延長約7,000kmの巨大な谷が存在します。これを大地溝帯(グレート・リフトバレー)と呼びます。
地殻変動によって形作られた大地溝帯には、いくつもの湖が形成されていきました。

ボゴリア湖はケニア中西部のバリンゴ郡にある湖です。
湖の周りでアルカリ性の温泉がわき出していること、下流に流れ出る川がないことから、濃縮が進んで、強アルカリ性でかつ塩分濃度の高い湖です。
この湖の環境が、フラミンゴのエサとなる藍藻類の生育に適しているそうです。逆に、藍藻とフラミンゴ以外の生物には厳しい環境のようで、魚類はあまり生息していないのだとか。

一時期は、後述するナクル湖から、こちらのバリンゴ湖に多くのフラミンゴが移り住んだそうです。
現在では当時ほどのフラミンゴはいないようですが、それでもけっこうな数のフラミンゴが生息しています。

もう一つ訪れた湖が、ナクル郡にあるナクル湖です。
かつて、空が暗くなるほどの多くのフラミンゴがいたのは、このナクル湖であったと聞きました。

ナクル湖では一時期、水位が上昇し、それによってフラミンゴのエサとなる藍藻が生育しなくってしまいました。
そのため、フラミンゴたちはボゴリア湖などの周辺の湖へ逃れてしまったそうです。
最近はナクル湖の水位が下がり、エサも増えてきたようで、フラミンゴの数も戻りつつあるようですが、まだかつてほどの数ではないとのことです。

ナクル湖は、ケニア屈指の大都市であるナクルにある湖です。
湖の周りはナクル湖国立公園に指定されていて、様々な動物が生息しており、サファリツアーを楽しむことができます。
ライオンやアフリカスイギュウなどが見られるほか、シロサイやクロサイ、ロスチャイルドキリンといった、保護の必要な動物を受け入れているのだそうです。
日本とは異なる色々な生き物が見られるのは楽しいですね!

それではみなさん、Kwa heri!

(↓:昼寝をするシロサイとナクル湖のフラミンゴたち)

Flamingo03.png

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