2023/01/27 Fri
任国 自然
ケニアの国立公園⑤~ツァボ国立公園
Habari gani?みなさんこんにちは。ケニアで環境教育隊員として活動している加賀瀬です。
ケニアの国立公園紹介も、もう第5回目となりました。
今回は、「ツァボ国立公園」(Tsavo National Park)を紹介したいと思います。
ツァボ国立公園は、ケニア最大の国立公園として知られています。その面積は22,000平方キロメートルを超えるそうです。
日本の四国の面積が約18,000平方キロメートルですから、その1.2倍の範囲が国立公園に指定されているというわけです。国と比較すると、イスラエルとほぼ同じ面積です。いかに広大であるかがわかるのではないでしょうか。
ツァボ国立公園は、タイタ・タベタ郡やキツイ郡など、複数の郡にまたがっています。国立公園内にモンバサ・ロードという幹線道路と、高速鉄道SGRが通っていて、それを境に東側が「ツァボ・イースト国立公園」、西側が「ツァボ・ウェスト国立公園」と分けられています。
広大な敷地の中に、数多くの野生動物が生息しています。
ナイロビ駅から、ツァボ国立公園近くのヴォイ駅までSGRに乗ったのですが、車窓からアフリカゾウが見えてびっくりしました。
ツァボ国立公園では、他とは違う特徴的な動物を見ることができます。
その一つがトップに写真を挙げた、「赤いアフリカゾウ」です。ツァボの赤い土で泥浴びをしたアフリカゾウは、身体が赤く見えます。
アフリカスイギュウも下の写真の通り、赤くなります。
ほかにツァボで有名なのは、ライオンでしょう。
ツァボは「人食いライオン」で有名な場所なのです。
19世紀末のイギリス植民地時代に、インド洋沿いの港町モンバサから、ヴィクトリア湖畔のキスムやカンパラへ向けて建設された「ウガンダ鉄道」。
このウガンダ鉄道建設の最中、ツァボ地域では夜に建設労働者たちがライオンに襲われ、多くの人が亡くなったそうです。これがツァボの人食いライオンとして知られるライオンであり、ナイロビの鉄道博物館などに展示があります。映画にもなっています。
では、ツァボのライオンにはどんな特徴があるのでしょうか?上のライオンの写真を見てください。これはオスかメスかわかりますか?
ライオンのオスと言えば、右の写真のような、ふさふさのたてがみが特徴ですよね。
ところが、ツァボのオスライオンは、上の写真のように、たてがみが薄いのです。
ツァボは標高が低く(500~600mくらい)、気温が高いので、たてがみが薄くなったという説があるそうです。
場所や気候が違うと、ライオンもこんなに見た目が変わってしまうのですね!
ツァボ国立公園は、面積が広大であるだけに、他の国立公園と比べて動物と遭遇しにくかったりもするのですが、それでもツァボ・ウェスト国立公園では、チーターやリカオン(アフリカン・ワイルドドッグ)などを見ることができました。
どちらも絶滅危惧種で数が少なく、なかなか見られない動物です。
また、自然の生み出した様々な地形も見ることができました。
火山が噴火して、溶岩流が広い範囲を流れた跡であるシェタニ・ラーバ・フロウ(Shetani Lava Flow)。シェタニは、スワヒリ語で「悪魔」を意味します。群馬県の浅間山麓にある「鬼押し出し」のようでした!
隣接する「チユル・ヒルズ国立公園」の山々に降った雨が、豊富に湧く水源地「ンジマ・スプリング」(下の写真)。この水は送水管によって、ケニア第二の都市モンバサへと送られているそうです。泉の中でカバの群れが寝ていたり、水辺でワニが日向ぼっこしたりしていますが、歩いて見て回ることができます。
2022年の年末は、ツァボのサファリツアーで、広大なケニアの大地と様々な動物たちを堪能しました!
日本人にとってアフリカ旅行というのはハードルが高いイメージがあると思いますが、ケニアの場合は特に観光に力を入れているというのもあるので、快適な旅が楽しめると思います。
ツァボ国立公園は、その中でもかなりおすすめできる旅行先だと感じました!
それではみなさん、Kwa heri!
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