JICA海外協力隊の世界日記

Sasa!ケニア・ティカ通信

任地の季節と気候 その②

Sasa!みなさんこんにちは。
ケニアで環境教育隊員として活動している加賀瀬です。
前回に引き続き、ケニアの季節と気候について書いていきたいと思います。

前回のブログで、ケニアには2回の雨季があることをお伝えしました。
3~5月の大雨季と10~12月の小雨季です。
日本とケニアでは季節のあり方は異なりますが、季節の移り変わりと農業に密接な関わりがあるのは同じです。

小雨季が終わった後の1~3月は、ケニアの1年で一番気温の高い時期になります。
そのため、小雨季の季節は畑を耕し、苗を植えたり種をまいたりする時期なのだそうです。
水の豊富な雨季に芽が出て、根付き、暑い時期に植物が育っていくイメージでしょうか。

他にも、マンゴーの実は雨季の間に大きく育ち、雨季の明けた1月からが収穫シーズンになります。
この時期になると、大きく甘く実ったマンゴーが、1個当たり日本円で10~20円程度の価格で売られます。
普段はマンゴーを扱っていないお店の店頭にも、たくさんのマンゴーが並ぶようになります。
それほどにたくさん穫れるのですね。

しかし、近年ではこうした季節の移り変わりに変化が起きているようなのです。

気候変動の影響はケニアにも及んでいるようです。
こちらの人の話を聞くと、ここ近年は雨季の始まるタイミングが、昔のように一定でないそうです。
いつ雨季が始まるかわからないと、農家も種をまいたり、苗を植えたりするタイミングが読めず、作物の栽培に影響が出ます。

今回の小雨季は、どうやらあまり雨が降らなかったようです。
ケニアという国は、もともと乾燥地の多い国です。国土の実に8割が、乾燥地と半乾燥地に該当するそうです。
とりわけ、国の北部に広大な乾燥地が広がっています。この地域では、昔からたびたび干ばつが発生しています。
ウシなどの家畜やキリンなどの野生動物が飢えと渇きで死に、人間も飢餓の危機に直面する、そんな干ばつの発生頻度が高まっているようです。

逆に、ケニア国内で水害に見舞われる頻度が増えている地域もあります。
ケニア中部のリフトバレー地域は湖の多い地域なのですが、それらの湖が増水して、周辺地域に水害をもたらすことが増えているそうです。
かつてフラミンゴの群生地として有名だったナイバシャ湖では、水位が上がった結果フラミンゴたちが別の湖へと棲みかを移してしまい、フラミンゴの姿が見られない、といったことも起こっているのだとか。

また、2020~21年にかけて東アフリカや中東を襲った、サバクトビバッタの蝗害(こうがい)を覚えている人はいらっしゃるでしょうか。
あのバッタの大発生にも気候変動が関係している、と考える人もいます。
インド洋でサイクロン(インド洋で発生する台風)が発生し、アラビア半島に大雨を降らせ、エサとなる植物が増えるとバッタが大繁殖するのだそうです。今後、気候変動が進むとサイクロンの発生頻度が高まり、サバクトビバッタの大発生の頻度が高まることが懸念されるとのことです。

日本でも近年、ゲリラ豪雨や台風による水害が増えてきており、気候変動の影響が現実のものとして感じられるようになってきました。
遠く離れた日本でも、ケニアでも起こっている影響。気候変動が世界規模の問題であることを強く感じます。

前回のブログでも触れたのですが、上の写真のように、雨季に入り雨が降ると冠水してしまう場所が、街中にたくさんあります。
これは、排水設備などのインフラが脆弱であったり、メンテナンスが不十分であることが要因として大きいと思うのですが、ゴミの問題もあるように思います。
というのも、こっちの人は排水溝をゴミ箱としか考えてないのではないか、と思えるのです...

Drainage02.png

人々がゴミを捨てるため、街中の排水溝はこんなふうにゴミでいっぱいです。
市街地の排水溝のゴミを集める担当の職員が配置されているほどです。
ただでさえ脆弱な排水設備にゴミが捨てられ、雨季にまとまった量の雨が降ると、ゴミが詰まって水が溢れかえることになるわけですね。
自業自得と言ってしまえばそれまでなのですが、何とかしたいところです。

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雨季には、雨で未舗装道路が泥だらけになると先に書きましたが、乾季にはそれが砂ぼこりになります。こまめに掃除しないと、家の中もすぐに砂だらけです。
ティカの街は水道設備への投資が不十分なままに発展して、人口がどんどん増えているため、乾季には水不足に陥る地域もあるようです。

私はどっちの季節が好きかというと、乾季が好きですね。
道が泥だらけにならないし、何より洗濯物がよく乾くのが最高です(笑)雨季は寒いですし。
とは言え、雨の降る雨季がないと、作物が育たず、人々の生活に影響が出てしまいます。
雨季にしろ乾季にしろ、何かと問題が山積みですね。

それでは皆さま、Kwa heri!

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