2022/11/18 Fri
人 文化
結婚式にお呼ばれした話
Mambo!みなさんこんにちは。
ケニアで環境教育隊員として活動している加賀瀬です。
JICA協力隊員としてケニアに派遣されて、約1年8ヶ月が過ぎました。残すところあと4ヶ月です。もう4ヶ月後には日本に帰ることになかなか実感がわかないですね。
私たち隊員は、任国で約2年間生活します。そんな長い期間の中で一度や二度は遭遇するイベント、それが結婚式かもしれません。
今回は、同僚の息子さんが結婚式を挙げるということで、招待されたので行ってきました。
ケニア人の約85%はキリスト教徒です。ということで、今回招待された結婚式も教会で行われました。
キリスト教徒といっても、カトリックもプロテスタントもいますし、それ以外の宗派の人もいます。キリスト教に詳しくない私からすれば、みんな「キリスト教」なのですが、実際には色々な教会が存在しているそうです。(日本の神道や仏教でも同じでしょうし、詳しくなければわかりませんよね)
案内状の通りの時間に教会に着きましたが、当然のように人はほとんど集まっていません(笑)
ただ、聖歌隊はすでにいて、参加者が集まるまで延々と歌い続けています。広い教会の中でもうるさく感じられるので、けっこうな爆音です。
案内状の時間から1時間くらいすると人が集まってきて、式が進み始めます。
式の流れは、日本の教会式の結婚式を思い浮かべてもらえばいいのではないかと思います。
ただ、日本の場合と違って、新郎新婦や参列者たちはほとんどがキリスト教徒なので、教会の人のお話が長いです。日本のエンタメ的な結婚式よりは、ずっと式典らしい「式」だと言えます。
教会の人のお話は、意外にもスワヒリ語やキクユ語での話がほとんどですね。結婚式での決まり文句(「健やかなるときも、病めるときも~」みたいなやつです)は英語だったりするのですが、それ以外はほぼスワヒリ語・キクユ語で進みます。宗教というものが生活に密着している感じがしますね。
アフリカのイメージにたがわず、式の中で歌ったり踊ったりする場面もありますが、思ったほど多くはなかった印象です。
結婚式が終わると、次は披露宴(Reception)が行われます。驚いたことに、披露宴の会場は教会の近くにある高校の校庭でした。会場費が安いのでしょうか...?
食事が振舞われ、みんな校庭に張ったテントの下で、新郎新婦の到着を待ちます。
今回の結婚式で一番キクユの伝統みたいなものを感じたのは、披露宴会場に到着した新郎新婦を迎えるシーンでした。
参列者の女性たちが会場に着いた車の周りに集まり、歌い、踊りながら二人を会場へと誘導していきます。
私の任地では、披露宴にMCとDJを呼ぶのが一般的なようです。MCが披露宴の進行を行い、参列者たちを盛り上げます。
DJはそれに合わせてBGMを流したり、切り替えたりしていきます。(左の写真が披露宴会場のDJブースです)
披露宴では結婚式より踊りますね。ただ、踊るのは一部の人だけで、大半の参列者は席について見ているだけでしたが。
参列者から新郎新婦へのプレゼント贈呈があったり、ケーキ入刀があったりして、披露宴は長く続きます。
同僚いわく、ケニアの結婚式は多種多様であるということです。
ケニアという国は40以上の民族が暮らしていますし、キリスト教徒以外にイスラム教徒やヒンドゥー教徒の人もいます。
地方へ行けば行くほど、より昔の伝統が残っているでしょうし、都市部に来ると現代の欧米的な文化の影響が大きいと考えられます。
(他の参列者の話によれば、新郎が新婦の両親にウシやヤギなどの家畜を送る習慣が残っている地域もあるそうです)
また、社会階層によっても結婚式のスタイルは異なるようです。
そんなわけで、どこで、誰によって行われる結婚式であるかによって、多種多様だというわけです。
今回私が参列したのは、キリスト教徒のキクユ人同士の結婚式であり、社会階層的にはミドルクラス、首都ナイロビに近い都市部で行われたものです。
そのため、「ケニアの結婚式とはこういうものである」とまでは言えません。かなりモダナイズされた部類に入ると思います。
私個人の感想としては、今回の結婚式はそんなに日本と違いがないのかな、というところです。日本の結婚式・披露宴と比べると、ずっと質素ですけどね。
いずれにしても、こういうイベントにお呼ばれするのも、JICA海外協力隊員の醍醐味だと思います。
それではみなさん、Kwa heri!
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