JICA海外協力隊の世界日記

KAI DIAK!~どっちから読んでも甲斐元気~

PAPAラッチ

bondia!di'ak ka lae?

ちょうど1か月前のことです。
私が東ティモールに来てから、いや、もしかしたら東ティモール史上最大と言っても過言ではないビッグイベントがありました。

ローマ教皇の東ティモール訪問

です。
東ティモールは国民の約97%がカトリック信者と言われ、バチカン市国に次いで世界で二番目にカトリック信者の割合が高い国だそうです。

ローマ教皇が「東ティモール」を訪問するのは、2002年の独立回復後は初めてのこと。
※独立回復前の1989年に当時のローマ教皇(故ヨハネ・パウロ2世)が訪問しています

数か月前から町中にはローマ教皇を歓迎するためのポスター等が飾られ、Tシャツ等のグッズも各所で売られていました。

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↑東ティモール唯一のショッピングセンター【TIMOR PLAZA】の入口上のポスター

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↑TIMOR PLAZA内の衣料品店【HAU TIMOR】は、色んなデザインのTシャツを販売

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↑ 女性や障害者支援を行っている団体【RELOKA】は、手作り刺繍のキーホルダー、栞、リサイクルグラス等を作成・販売

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↑手書きの壁画

ローマ教皇が通る予定の道路の整備や清掃も行われ、どんどん綺麗になっていく様子は少し違和感を感じる程。

訪問前は
 ・国内外から100万人以上の人が首都ディリに集結する
 ・生活インフラ(電気、インターネット、水道等)遮断の恐れがある
 ・数日前から学校を休校にし、地方から来る人を宿泊させる
 ・浜辺や路上で寝るような人もいるかもしれない
 ・スーパーからは食品等が無くなり(売り切れ)、休業する施設もある
 ・国内の道路の交通規制はもちろん、飛行機・船等にも影響が出る
等、色んな情報が飛び交い、実際にその通りになったものもありました。

ただ、結果としては、あまり大きな問題・影響はほとんど無かったように感じています。

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ローマ教皇は「PAPA(パパ)」という愛称・敬称で呼ばれます。
ローマ教皇が滞在する三日間は私も活動が無かったので、ローマ教皇を一目見ようと町に出てみました。
そう、これが本当の「PAPAラッチ」!

早朝、道路の中央分離帯には東ティモールの全14県がそれぞれの特徴・名産等を使ったモニュメント(上の写真は首都ディリの予数)を設置していました。

マナトゥト県のモニュメントにはシャナナ・グスマン首相が訪れ、除幕式が行われました。
(下の写真中央の黒い帽子を被った方がシャナナ首相。マナトゥト県はシャナナ首相の出身地。)

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除幕式前、首相やスタッフと一緒に写真撮影(首相の右にいるのが私、左にいる二人は隊員仲間)。
首相が来るまでの間にスタッフと仲良くなり、マナトゥト県オリジナルカラーのローマ教皇Tシャツをいただいてしまいました。
首相とも少しだけ話ができ、東ティモール風ジョークで楽しませてもらいました。

首相はこの数時間後には、空港へローマ教皇をお出迎えに行っています。
オンとオフの差もそうですが、地位も名誉もある方がこうやって国民と同じ目線で動くことが出来る姿勢に感動しました。
もちろん護衛のスタッフはいましたが、こんなにラフな格好で来るなんて…笑
東ティモールのことが、また更に好きになりました。

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さて、ローマ教皇に話を戻します。
私と隊員仲間は、そのままマナトゥト県のエリアで教皇を待つことにしました。
スタッフによると「シャナナ首相とローマ教皇はここでいったん車を降りる」とのこと。

ドキドキワクワクしながら、ローマ教皇の動向を紹介する動画サイトを見ながら待つこと数時間…

遂に!ローマ教皇が!目の前に!

・・・残念ながら(予想通り?)停車・降車は無く通り過ぎていきました。
しかし、見事パパラッチ成功!

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↑オープンカーから東ティモール国民の声援に応えるローマ教皇(87歳とは思えない…)

滞在2日目・3日目もパパラッチ成功!!

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↑2日目:ミサ会場に向かうローマ教皇
まさかのTOYOTAシエンタ(実家と同じ車種)の助手席に座られるなんて!

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↑3日目:国内のイベントを全て終え、空港に向かうローマ教皇

ローマ教皇を一目見た後、とても幸せそうな笑顔だった人がいれば、号泣している・泣き崩れる人も沢山いました。

JICA海外協力隊に参加するにあたり「宗教」に関する事前学習・レポート課題があったのを思い出しました。

普段の活動(サッカー練習)の前後、選手達は必ず「(神様に)お祈り」をします。
町中にいくつもある教会では毎日ミサが行われ、教会の前を通る時にさえ「お祈り」をする人が沢山います。
ローマ教皇が執り行ったミサには約60万人が参加したとのこと。
日本人にはあまり馴染みが無い宗教について、東ティモール人の信仰心について、改めて間近に触れ、考えさせられた時間でした。

だがしかし、これは許せん。

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ローマ教皇が来る前、あれだけ綺麗に清掃していたのにローマ教皇が通った直後にはもうこんな状態。
バチカン市国の国旗も落ちていました(大衆に揉まれて落としただけかもしれないですが)。
東ティモールのゴミ問題は根深い。

毎年(いや毎日?)ローマ教皇が来てくれればいいな(ゴミ問題は解決するかな)と思いました。

以上、PAPAラッチ(ローマ教皇の東ティモール訪問)についての報告でした。

最後までご覧いただきありがとうございました。
até tempu seluk!(テトゥン語で「アテテンプセルク!/またね!」)

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