2020/08/19 Wed
人 文化 活動
途上国の社会課題解決につながるクラフトを集めたウェブストア ー 中田 美沙貴さん
ジャマイカでジェンダー平等政策と女性のエンパワメントに取り組んだ中田さん
今回も、ジャマイカで同時期に活動した隊員・隊員OVの取組みを、インタビュー形式で紹介します。
―ジャマイカでの活動を教えてください。
中田さん)2018年7月より2年間、ジャマイカ政府のジェンダー局で、女性への暴力撲滅のための法律(ドメスティックバイオレンス法や性的暴行罪等)の改正を支援していました。特に、障害を持つ女性は「女性」と「障害」の二重の差別を受けることがあるため、ジェンダー局は力を入れて支援していました。
そんな中、知的障害者支援校の卒業生が作るアクサセリーブランド「Chupse(チュップス)」に出会いました。チュップスは、その立上げから、技術指導、経営管理など、歴代の様々な協力隊が応援してきたブランドです。その商品のデザイン性の素晴らしさに加え、思い通りに手先を動かすことができないながらも真摯に作業をするクラフターたちの姿を見て、何かできないかと思い、チュップスの商品の販路拡大を活動の一つとして取り組んできました。
―オシャレなアクセサリー(写真)ですね。
ブルーマウンテンコーヒー豆を使ったピアスです。コーヒー豆に穴を開けたり、ペンチでフックを曲げたりする作業は、知的障害を持つ人の作業療法にもなります。
【参考】A chupse a day helps disabled youth learn craft skills(JICA Webサイト)
ウェブストア「Likkle Nuff」
―活動の終盤に企画されたウェブストア「Likkle Nuff」についてお聞かせください。
中田さん)「Likkle Nuff(リクル・ナフ)」は、今後も日本から持続的な支援をするため、チュップスのような途上国の社会課題の解決につながるクラフトを集めたオンラインショップです。
ショップ名は、ジャマイカの現地語「Likkle(小さい)」と「Nuff(たくさん、十分)」に由来します。取り扱うのは小規模な工房の商品ですが、「小さくても、十分強くたくましく」という思いを込めています。
―ジャマイカ以外のブランドも並んでいますね。
ウガンダで活動する同期隊員が、現地の雇用創出のために立ち上げたクラフトブランド「4u」の商品が素晴らしく、ウェブストアで紹介し、クラフト活動をする隊員の一助になれればという思いもあり、セレクトショップという形態にしました。
今後も協力隊の派遣が再開され次第、ネパールやルワンダの隊員が支援しているクラフト商品も取り扱う予定です。
―ショップのこだわりを教えてください。
一般に途上国で作られるものは「安く」「質が悪い」というイメージを持たれる方が多いと思います。また、途上国支援だからという理由での購入は、一時的で継続性がなく「買ってあげる」という意識を生むため、途上国の人々に対する蔑視につながるのではないかと問題意識を持っていました。
そういったイメージを払拭し、商品自体の魅力を伝えられるよう、ロゴやウェブストアのデザインはかなりこだわって創っています。これにより、「支援される側」として見られるのでなく、「生産者」「技術者」として認められるようになればと願っています。
展開するセレクトショップ
―「Likkle Nuff」が早速注目されていますね。
中田さん)大変ありがたいことに、ウェブサイトの一部商品は完売いただきました。
また、8月7日から30日まで梅田 蔦屋書店(JR大阪駅 ルクアイーレ9階)にて、Likkle Nuffの商品をSDGs(Sustainable Development Goals)をテーマとしたフェアで取り扱いいただいています。お近くにお立ち寄りの際は、ぜひ覗いてみていただきたいです。
―盛況をお祈りしています。また今後の展開が楽しみです。
「Likkle Nuff」では、ジャマイカをはじめとする支援の目が届きにくい小規模な事業とタイアップしたこだわりの商品が取り扱われています。ぜひサイトをご覧ください。
なお、同ショップでは、コロナによる影響削減のため、利益が出た場合は各団体へ寄付することとしています。
Likkle Nuff
Website: www.likklenuff.jp / Instagram: @likklenuff
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