JICA海外協力隊の世界日記

ジャマイカではたらく鳥取県職員

イチゴ農家で働きながらジャマイカでの活動を継続 ― 東 伊織さん & 青地 佑子さん

現地NGOで広報やIT技術支援を行ってきた東さんと手工芸の技術指導を行ってきた青地さん

ジャマイカで同時期に活動した隊員・隊員OVの取組みを紹介するインタビューも第3弾になりました。今回は一時帰国後に同じ職場で活動を継続しているお二人にお話をうかがいました。

―まずは、お二人それぞれのジャマイカでの活動を教えてください。

東さん)2018年度4次隊PCインストラクター隊員としてジャマイカに派遣され、障害を持った子供たちにリハビリや教育の支援をするNGO「CBRJで広報活動やIT分野での技術提供を行ってきました。

具体的には、公式Webサイトの作成、ソーシャルメディアの運営など組織の情報発信、認知度拡大や障害を持った子供を対象にしたトレーニングマニュアルを電子書籍化、利用者のデータベース作成などに取り組んできました。

―活動を通じて、どんなことを感じてこられましたか。

東さん)障害を持っているという理由で学校に通えなかったりコミュニティに入れなかったり、まだまだ偏見や差別の多い社会で障害に対する正しい知識の提供やサービスの提供を非営利で行なっているCBRJをIT技術で支援を行いより広く認知され、支援者が増えていくよう日々試行錯誤してきました。

青地さん)私は2019年度2次隊手工芸隊員として、2020年1月にジャマイカへ派遣され、NGO「ジャマイカ知的障害者協会(JAID)内にある特別支援学校の卒業生がクラフターとして働くアクセサリーブランド「Chupse」でインストラクターとして活動していました。

―「Chupse」は、中田さんの回でご紹介したところですが、青地さんは技術指導の役割でブランドを支援してこられたんですね。

青地さん)技術的な指導や生産管理を始め新商品開発の提案を行うための準備を始めていた所、現地の活動はわずか3ヶ月ほどで、今回の一時帰国となりました。

オンライン等での活動継続とイチゴ農家での地域活動

―特に青地さんは、活動がまさにこれからというタイミングでの一時帰国となってしまいました。

青地さん)帰国後は、Chupseのクラフターに制作の手順などを教えるためのインストラクションを作成するなど活動を続けています。最近では、和柄やジャマイカ風デザインのマスクを作って、ジャマイカでお世話になった方々に使ってもらおうと取り組んでいます。

東さん)私も幸い、IT分野での仕事のためジャマイカでの活動をオンラインで現地の同僚と継続して行っています。加えて、ジャマイカ隊員OVの永村さんの「CHAKA CHAKA」事業の企画や運営、Web関係で協力しています。

―東さんは永村さんの事業のサポートをされているんですね。隊員/OVの連携はステキですね。

―お二人が一緒に参加されている、イチゴ農家での地域活動についてお聞かせください。

青地さん)現在は、長野県南牧村にある「菊池農園」で地域活動をしています。ご主人の菊池辰夫さん(冒頭写真)は、JICA草の根事業を担う国際農業者交流協会を通して何度もフィリピンへ農業技術を指導しに現地へ赴き、開発途上国の農業者の養成に尽力されていらっしゃる方です。また、これまで数多くの海外実習生を受け入れ、イチゴやトウモロコシ、長芋などの栽培を指導しています。

元々食糧や環境問題、そして人種差別等の社会問題に興味があり、短いながらもジャマイカで過ごしたことによって、よりこれらことについて考える機会が多くなりました。そのような中で、地方の農業の現場で働けることは貴重な経験になると思い、体力に自信はありませんが働いています。

東さん)普段は摘花というイチゴの花やつぼみの間引き作業をしたり、イチゴの実の選別作業をしたりしています。摘花は栄養分が集中して美味しく美しいイチゴに育てるための大切な作業なのだとか、選別はイチゴの価値を高めるために欠かせない作業なのだといったことを、菊池さんは農業素人の私たちに丁寧に指導してくれます。

また、フィリピンからの外国人技能実習生と一緒に働いているのですが、国際交流の一環として相互理解を深める上でも貴重な機会となっています。

国際協力やサステナビリティに関わる次のキャリアへ

―最後にお二人の今後の展望をお聞かせください。

東さん)CBRJの活動を継続しつつ、ジャマイカの社会問題を解決するための支援活動を進めていくと共に、3月にオーストリアの大学院に入学予定でサイバー心理学を専攻し知見を広げ、途上国でも成長の著しいIT分野で国際協力活動に携わりたいと思っています。

青地さん)私は元々工芸畑出身の人間です。日本の伝統工芸は自然の力と切っても切り離せない関係。ジャマイカでの活動先Chupseでもジャマイカ特産のブルーマウンテンコーヒー豆や近海でとれる魚の鱗を使用したアクセサリーを制作していました。そんなサステイナブルなものづくりの為の素材開発に今回の経験を活かしていければと思います。

一時帰国後も協力隊の活動を続けながら、国際協力やサステナビリティに関わる次のキャリアに向けた勉学・研さんにも励んでいるお二人でした。

CBRJ

Website: www.cbrj.org

CHAKA CHAKA

Website: chakachaka.official.ec

Chupse

Facebook: chupse

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