JICA海外協力隊の世界日記

マーシャルのゴミから見える世界

その26:MAWCの未来

我が職場MAWCMajuro Atoll Waste Company)について語るのも今回が最終となります。そこで、少々大きい話題になりますが、MAWCの未来について述べたいと思います。なお、この内容は毎月末MAWC職員向けに実施している講習会(OPMOne Point Manual)の最終回での内容に基づいています。写真はOPM最終回をぶじ終えて、参加者全員での集合写真です。

#1 CDL(飲料容器預け金制度)の未来

 増え続けるPETゴミをどうするのか?
 日々大量に回収され続けている廃PETは現在のところ、写真のように敷地内や埋立地の裏込め材としてブロック状態のままで埋め立てるだけですが、これでは用途も限られ限界があります。今後考えられる方策として、例えば、チップ化してコンクリートブロックに混合、溶融化して軽量PETブロックとして再生、あるいは廃PETからプラスチック原料を再生しスニーカーなどの製品に活用すること(現在、パラオなどを中心に取り組み開始)などがあります。まだまだ、時間はかかりそうだが、挑戦を忘れずにというメッセージを伝えました。

#2 Compost(ゴミ堆肥)の未来

 やっと立ち上がったCompostの生産ですが、次の課題はCompostを必要としている人々にいかに届けるか?
 第1ステップとして生産拠点Lauraでの直接販売、次のステップは宅配、そして最後は包装袋詰め販売が考えられます。幸いにして、商業デザイン関係の短期隊員さんが派遣されましたので、なんとかうまく連携して海外にも販売できるようなオシャレな包装袋の完成を願っています。

#3 現処分場の未来

 現処分場は、マーシャル政府により、火事の発生や、環境面、衛生面など、全体を通して危険性が高いことから“Emergency Area”としての指定がされました。先日2/6J-PRISMⅡ(大洋州地域廃棄物管理改善支援プロジェクト)の今年度報告会では、その対策として、下図に示したように、①現在積み上がっているゴミ山の一部移転、②現処分場の拡張、③新処分場建設の3段階計画が提示されました。政府として優先して取り組むべき課題と認識されたのが大きな進歩です。新処分場への移転まで何年かかるかわかりませんが、火事発生防止などの安全対策を講じながら、日常的なゴミ収集業務という住民の生活も担保しつつ、着実に計画を進めていくことが必要と考えられます。

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