2020/02/24 Mon
文化 生活
その25:あらためてマーシャルとMajuroのご紹介
このJICA世界日記も丸1年を超えて、残り少なくなってきました。振り返るとここマーシャルのご紹介をしていないことに気づきました。一般的なご紹介になりますが、以下にまとめてみました。写真はマーシャルの首都Majuro上空から見た真珠の首飾りと称されるMajuro環礁です。
#01 マーシャルとは?
改めて、マーシャルについてご紹介します。私たちより上の世代の方にとっては、戦前の歌謡曲「酋長の娘」の歌詞に出てくる国(戦前はマーシャル群島と呼称)。我々世代にとっては「ビキニ水爆実験」、「第五福竜丸被ばく事件」のビキニ環礁(本紙その2に記載しましたが、負の世界遺産です)のある国。そして現在は「真珠の首飾り」と称される美しい環礁に囲まれダイビング観光で有名な国、実態は米国の補助金とマグロ漁業権とコプラ(乾燥ココナッツ:ヤシ油の原料)輸出で成り立っている国、地球温暖化による海洋侵食に直面している国です。
#02 マーシャルはどこ?
位置図を示します。赤道のわずか北、日本から直線距離約4,500km(東京〜Majuro間)と比較的近いのですが、飛行機では途中Guam泊で丸二日かかります。マーシャルは主に29の環礁と5つの島からなっています。環礁とは、火山島の海岸に成長したサンゴ礁が火山消失後も残ったものを言います。また、平均標高は2m以下です。
#03 マーシャルの歴史は?
おおよそ3千年前、いわゆるミクロネシア民族の人がカヌーなどを使って東南アジア方面から渡って来たと言われています。その後、スペイン人によって再発見され、この海域を調査したイギリス人船長の名前からマーシャルとつけられたとのこと。近代はコプラ収穫および出荷基地として19世紀はドイツ領、第1次大戦後は日本領、第2次大戦後は米国領と変遷。米国の水爆実験場としてビキニ環礁、その時の被ばく被害にあった第五福竜丸事件としても有名です。現在も米国の宇宙防衛ミサイル基地などに利用する見返りとして、国家予算の半分以上にもなる補助金(通称Compact)が米国から支出されています。
#04 マーシャルの産業は?
Compactの期限が2023年までということで、廃棄物処理をはじめとするインフラ整備とともに、国の産業基盤育成が最重要課題です。冒頭で触れたマグロの漁業権とマグロの輸出、コプラ輸出そして観光などが大きな柱ですが、まだ十分な規模に育っていません。我々JICAボランティアが求められる理由でもあります。
個人的にはMajuroの観光資源として我が職場MAWCのMt.Dump登山を考えています。Majuroの最高地点であり、頂上に立つと外海の太平洋と内海であるLagoonが同時に見える素晴らしい景観と足元のゴミ山の対比がいろんなことを考えさせられます。さらに、環境教育として何回も話を聞くよりも、1回でも自ら輩出したゴミで積み上がったMt.Dumpに自らの足で登ってみたらゴミ問題が直感できると思います。
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