JICA海外協力隊の世界日記

マーシャルのゴミから見える世界

その13:マーシャルのお葬式

8月はお盆があり、終戦記念日があり、今は亡き人たちを思いおこす時でもあります。私もこの歳になると身近な方が逝くことも多くなり、お葬式も身近になってきました。そんなこともあり、ここマーシャルのお葬式にも個人的に関心があります。今回は趣を変えてマーシャルのお葬式についてです。ちなみに、写真はMajuroLaura地区)の集合墓地の写真です。

#01 Majuroのお葬式

 先々月ですが、マーシャルに来て初めてのお葬式に参列させていただきました。我々の職場MAWCの取締役のお一人が48歳という若さで亡くなりました。そんなこともあり、参列者がとても多く、我々職場のメンバー約15名で参列しました。マーシャルでは基本的にプロテスタント系キリスト教のため、お葬式もキリスト教式です。職場の代表としてGMのご挨拶に対して、喪主がお礼の言葉を返し、そのあと参列者一人ひとりがご遺体にお別れの挨拶をしながら、一人1$を香典代わりに喪主に手渡します。地元有力者でしたので、弔問客が絶えず、自宅に棺を設置し、化学処理と氷で保冷しながら約2週間もの期間、お葬式が続いたとのことです。写真は我々が弔問した時の一枚です。正面の棺にご遺体が安置され、向かって左から2番目の方が喪主さんです。ちなみに、喪主さんは故人の兄弟でFirst GentlemanであるKijinerさん 、奥さんのHilda大統領も多くの家族と共に家の外でお手伝いをされていました。

#02 Majuroのお墓

 こちらのお墓には2つのタイプがあり、最初の写真に示したような一般の人向けの集合墓地に収めるタイプと大きな家(敷地)の場合、自宅の敷地内にお墓を設置するタイプがあるようです。ちなみに土葬ですので、ご遺体はそのままお墓に安置されますが、地元の方に聞くと長年経つとお墓からお骨を拾って自宅に安置するとのことです。写真は最近設置された自宅内お墓の例です。古くからの家になると、何基ものお墓がずらりと並んでいる家もあります。

 これを見たとき、この国では“死”が身近にあるなと、感じました。今の日本ではお葬式も含め故人との弔いが極めて限られた身内で執り行われるようになって、“死”というものが日常から遠い存在になりつつあります。この国ではお墓も家のそばにあり、おとなもこどもも“死”を身近に感じながら生活しています。このような生活を見ていると、我々日本人が置き忘れた何かを思い出させる気がしています。

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