JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

「おしゃべり」の力

「Vangvieng Posa Handicraft(VPH)」のメンバーが紙糸を草木染めしていたときの話。私はパッと思いついて「今までで一番好きな仕事は何?」とVPHメンバーに質問した。すると生産者は「織ること」と笑った。。

続けて私は「やっぱり一番嫌いな仕事は焼畑なの?」と決めつけてVPHメンバーに尋ねた。なぜなら以前も似たような会話をしたことがある。そのためやっぱり、VPHメンバーは以前と同じく「焼畑は暑いから辛い」と顔をしかめた。

でも今回は新たな発見があった。私は過去の話を思い出して、「織ることは楽しいけど、一人で織るのは楽しくないんだよね」とVPHメンバーに再確認した。もちろんVPHメンバーは同意した。でもVPHメンバーは続けて「焼畑であってもたくさん人がいれば楽しい」と教えてくれた。なぜなら、みんなとおしゃべりできるし、みんなと楽しくご飯も食べられるから。

そのとき私はあることを思い出した。手漉き紙の原料であるカジノキを叩いていたとき、黙って叩く私に対して、VPHメンバーは「黙っていると疲れる。だから話そう」と笑った。「おしゃべり」はただ楽しいだけでなく、辛い肉体労働を乗り越える手段でもある。そう考えると一人で働くことはやっぱり辛いことだと思う。

私も過去、品質管理でたくさんの商品を検品することがあった。そのときに疲れてくると作業している人はみんなおしゃべりになった。VPHメンバーと同じ気持ちなのかはわからないが、「おしゃべり」は辛い仕事も楽しく乗り越える力があるのだと思う。

VPHメンバーはたくさんの村人と一緒におしゃべりしながら働きたいと思っている。そしてVPHメンバーにとって「織物×おしゃべり」は生きる活力になっている。これからも収入向上、雇用創出、安定した仕事などの経済面だけでなく、生産者の心にも配慮して活動していきたい。

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