JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

健康の大切さを知る

「Handicraft Festival(HF)」出展の売上でだいたい3万円くらいを手にしたある「Vangvieng Posa Handicraft(VPH)」のメンバー。しかし息子の病気で数週間もしないうちに、3万円は治療費で底をついてしまった。VPHメンバーのなんとも寂しい笑顔が切なかった。

赴任地のラオス人の多くは三世代で一緒に暮らしている。そして三世代は金銭的に支え合っている。その中でも病気になったときの支出は、家計に大きな負担を与えるという。しかも村周辺の病院では応急処置に留まるため、県病院や首都の病院へ行かなければならないことも多々ある。それは交通費や食費など様々な出費が増すことを意味している。

しかも息子は道路建設などの労働者として働いてきた。道路建設の労働者は強い日差しに照らされながら、屋外で長時間働かなければならない。ある意味、身体を資本にして頑張ってきた。そのため病気になると現金収入を得られる手段が全くなくなってしまう。そして日給でだいたい1,000円だった収入を失う。もちろん健康を害すと収入を得られなくなるだけではない。任地の村人は食料を得るために山に入ったり、川で漁もしたりしている。不健康はそのような活動にも制限を与える。

日常的に体調を崩したときの薬代も高い。村人の多くは薬草の知識を持っている。でもすべての問題をカバーすることはできない。他のVPHメンバーも最近、夫が入院し、退院後も自宅療養となっているため、HFで得た売上は無くなってしまった。そして夫は亡くなられた。身近にそのような問題が発生すると、改めて健康の大切さを認識するとともに、農村の人々が医療サービスにアクセスしやすい状況も整ってほしいと考えずにはいられなかった。そして地元に安定した収入の得られる仕事がないことも、生活を難しくしている一要因だと知ることになった。

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