JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

国立リハビリテーションセンターでうちわ作り

Forestry Training CenterFTC)はJOCVが活動している国立リハビリテーションセンター(CMR)で2回、うちわ作りワークショップを開催した。

内容はSDGsの紹介、うちわ作りの実演、体験、そしてうちわの絵付け。

CMRでうちわ作りワークショップを開催する目的は「うちわ作りを組み合わせることで患者に楽しんでもらいながらリハビリテーションに取り組んでいただく」こと。

そして理学療法士のJOCVからは、うちわ作りをリハビリと組み合わせることで「指先をメインに上肢の機能向上、また色やデザインを考えながら指先を使用することで二重課題となり認知症の予防、改善、また新しいことを取り入れることで楽しい、難しいなどの感情や心理に対してのアプローチを行うことで、日常生活の介助量減少と、活動量の向上が期待できる」という言葉をいただいた。

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FTCにとっては、今まで開催してきたうちわ作りワークショップとは異なる新しい挑戦だった。なぜなら今回の対象は病院でリハビリに取り組む患者の皆さん。そして私が赴任して以来、まだ実施したことのないうちわの絵付けを新たなアクティビティとして加えた。

リハビリ患者の皆さんに対してFTC職員はどのように対応できるのか、始めるまではまったくわからなかった。でも始めてみると、FTC職員は患者のスピードに合わせて丁寧にうちわの作り方を教えていた。初めてこの企画を相談したとき、FTC職員は「リハビリ患者!?」と驚いていた。でも実際に開催してみればその驚きが嘘のようにしっかりと対応できていた。第2回目の開催では、CMR職員との連携も向上していて、リハビリ患者と楽しみながらうちわを作っているのが伝わってきた。

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第1回目の開催で私は、果たしてラオス人の皆さんが積極的にうちわへ絵を描いてくれるのか心配していた。でもその心配は不要だった。リハビリ患者とその家族は、特にテーマを与えなくても色鉛筆やクレヨンでうちわに様々な絵を描き始めた。共通してラオスの田舎を彷彿とさせる絵が多かった。例えば川、山、森、花、高床式住居、水牛など。そして皆さん絵を描くのがとても上手。誰一人スマートフォンで画像を参考にする人は無く、自分の頭にあるものをうちわ上で表現していた。

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2回目の大きな変化は、FTC職員が「絵付けコンテストを開催したい」と提案したこと。リハビリ患者とその家族が描いた絵付けうちわに順位付けし、受賞者にはVangvieng Posa Handicraft(VPH)の手工芸品をプレゼントするという内容だった。この案は当日のうちわ作りワークショップを大いに盛り上げてくれた。FTC職員・CMR職員・リハビリ患者の楽しむ笑顔を見ていると素直に開催してよかったと思えた。そしてFTC職員がうちわ作りワークショップをよりよく改善するために、新しい案を自分で考えてくれたことがとてもうれしかった。

このような実りある企画を2回も開催できたのは、CMRで活躍しているJOCVCMR職員たちのおかげだった。彼・彼女たちの積極的な協力がなければ、FTCも成長することができなかった。皆さんには本当に感謝している。

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