JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

各民族によって漉かれるラオスの多様な紙

Forestry Training CenterFTC)に赴任当初、私は手漉き紙のことなんて何も知らなかった。そのため、FTCの手工芸品団体Vangvieng Posa HandicraftVPH)は日本から伝わった技術で紙を漉いている、と言われても何も頭に思い浮かばなかった。

でもやっぱりVPHメンバーの身近で紙漉きを見ていると、勝手に製造工程を覚えることになったし、準備の大変さや紙漉きの難しさも知ることになった。日本でほとんど知ることのなかった「流し漉き」をラオスで知るなんて、特殊な経験をしていると思う。

そして最近ようやく、ラオス国内に様々な種類の手漉き紙があることを学び始めている。最初に知ったのはラオスで一番有名なルアンパバーン県の「Saa Paper」。この手漉き紙はVPHと同じ原料である「カジノキ」からできている。ルアンパバーンの紙を漉く方法は「溜め漉き」なので、VPHの「流し漉き」とは異なる。厚みのある手漉き紙には花や植物が散りばめられて、ルアンパバーンの手工芸品店やナイトマーケットなど、いたるところで販売されている。聞いた話によると、この手漉き紙を漉いているのはラオ・ルム(低地ラオ族)の人々らしい。

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FacebookVPHの手漉き紙を宣伝していると、Handicraft Festivalで知り合ったレンテン族の生産者から突然、紙漉きの写真と動画が送られてきた。Messengerでやり取りするうちに、レンテン族は竹から手漉き紙を作っていることがわかった。方法は黒い網を張った大きな竹枠に、繊維がバラバラになった竹の紙料を薄くかけ流し、その木枠ごと天日干しするような感じだった。

この手漉き紙は漢字で書かれた書物や儀式用の札に使われるらしい。ある資料によると、レンテン族は数百年前に中国から移住してきた。そして道教、祖先崇拝、精霊信仰が融合した独自の宗教を崇拝している。

レンテン族はその他にも手工芸品の販路で販売するため、手漉き紙のノートも作っている。このノートはレンテン族の得意な綿布の草木染めと刺繍を生かした表紙がついている。いつか自分で購入してみたい。

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シェンクアン県に行ったときはモン族の手漉き紙に出会った。訪ねた時期がちょうど、モン族の正月間近だったこともあり、市場で手漉き紙を購入することができた。でも私は初めからモン族の手漉き紙を知っていたわけではなく、お店の店主に尋ねることでその事実を知ることになった。

モン族は正月の儀式で使うために手漉き紙を作っているらしい。店主に手漉き紙の原料を聞いてみると、モン語でしか(原料名を)答えられない、と言われたので、その時点では手漉き紙が何から作られているのかわからなかった。

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数日後、車でシェンクアン県を移動しているとき、村の中で手漉き紙が天日干しされている光景を目にした。そのため私は、同乗者にお願いして車を止めてもらった。手漉き紙が作られている民家にお邪魔すると、「カジノキ」に似た繊維がバケツの水に浸かっていた。モン族の手漉き紙も原料は「カジノキ」らしい。周りにはブルーシートを敷いた木製の水槽や、ニット生地を貼った大きな木枠など、手漉き紙をつくるのに必要な設備や道具が揃っていた。残念なことに紙を漉いてる光景は見られなかった。でもVPHの経験から何となく製造工程は想像することができた。

ラオス国内にはまだまだ知らない各民族の手漉き紙があると思う。いつかラオス国内の手漉き紙を比較するような機会を作り、VPHだけでなくラオスの手漉き紙全体を盛り上げるようなPRができたら面白い。

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