JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

口承を基本に生きてきた生産者たち

コースターの大きさで話し合う「Vangvieng Posa HandicraftVPH)」生産者とその「ນັກຮຽນ(ナックヒエン)/生徒、織子」。VPHの生産者は織元のような存在で、生徒(織子)に材料や道具を貸し出している。そのため生徒(織子)は織り終わると、VPHの生産者に商品を見せに来る。

VPHの生産者は事前に生徒(織子)に織ってほしい商品情報を口頭のみで伝える。この方法によってVPHの生産者と生徒(織子)の間に齟齬が生じている。今回もそのようなケース。VPHの生産者は生徒(織子)の織ったコースターのサイズをメジャーで測っている。でも目視でわかるほど縦の長さが異なる。そのせいでVPHの生産者と生徒(織子)は軽く揉めている。

この状況を見ていると、なぜ口頭のみの方法を改善しないのだろう、という疑問が出てくる。そのため私はVPHの生産者でも使えるような簡単な仕様書や指示書を作ることにした。VPHの生産者には手書きの絵を描いてもらい、せめて大きさだけでも記入してもらう。

口承に慣れている生産者に文字や数字で記録を残してもらうのはなかなか難しい。でも目に見える形で記録に残したほうが生徒(織子)もVPHの生産者もわかりやすい。このケース以外にも口承だけに頼ることで様々なミスが発生している。それでもVPHの生産者は「ボーペンニャン(問題ない)」で済ませてしまう。この方法に慣れているラオス人同士なら問題ない。でももしラオス人以外と取引をしたいなら、改善しないと正直厳しい。仕様書や指示書づくりがなにか変化のきっかけになればと思う。

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