JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

手仕事で生き抜いてきた強さ

生産者の人生を訊ねたときの話。「Vangvieng Posa Handicraft」で現在活動している生産者は全員1960年代生まれ。年齢は50代後半から60代前半。そのためラオス王国政府とパテート・ラオの内戦、第二次インドシナ戦争、アメリカによる空爆など激動の時代に生産者は育っている。

両親や自身はもとからビエンチャン県の村に住んでいたわけではなく、北部の県からビエンチャン県に逃れてきた。ある生産者は空爆の激しかった時期、薪で火を焚くこともできなかったと語った。なぜなら火を焚くと煙が上がるので空爆の標的になる。

そのような時代背景もあり、生産者の多くは小学校卒業か中退が最高学歴となっている。そして生産者たちは両親を助けるために働かざるをえなかった。ここには記載しないが、高地ラオ族の人生は低地ラオ族よりもさらに難しい状況だったらしい。

当時のビエンチャン県の暮らしは多くの人が焼畑で生計を立てていた。生産者はその合間に、母や親類を手伝いながら織物の技を身につけていった。そして十代後半になると結婚して子供をもうけた。

以上の状況を知った私は、自分の生きてきた人生との違いに驚いた。そしてそのような状況でも自分の手仕事で生き抜いてきた強さに感銘を覚えた。生産者たちは学校ではなく、親の手伝いが学びの場だった。そこで学んできたことは今でも生かされている。私は今まで「母から娘へ受け継がれた」という言葉を薄っぺらにしか理解できていなかった。

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