JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

「Vangvieng Posa Handicraft」で織る理由

「『Vangvieng Posa HandicraftVPH)』の存在価値って何だ」と考えたとき、核には「織る」ことがあるだろうと仮定した私。でもよくよく考えたら生産者の自宅にも織機がある。だから「わざわざVPHに来る理由は何だ」という新しい疑問が湧いてきた。

そのため私は、VPHメンバーにVPHと自宅で織る違いを聞いてみた。VPHメンバーの答えは以下の通りだった。「自宅で一人、布を織っても織る楽しみはある。でも一人だと眠くなるし疲れる」。VPHメンバーは現在、VPHで織った帰宅後も、空き時間を見つけて自宅で布を織る。家事や孫の世話以外に「織る」こともかなりの時間を占めている。

しかしVPHで集まって織ると「おしゃべりできるので眠くならない」。そして「一緒に作業したりご飯を食べたりする時間があるので織り続けなくて済む」という。家で一人だと際限なく織ってしまうこともあるらしい。

VPHは紙を漉いたり、紙布を織ったりするだけの場所ではない。孫の両親が働きに出ているとき、VPHメンバーは手仕事に勤しみながら孫の世話もする。そのためVPHでは孫と一緒に紙布を織ったりする光景もよく目にする。VPHメンバーの一人は2人の娘に母として織り方を教えた。そして孫にもできれば織り方を伝えたいという。でも現実は厳しい。二人の娘は織りで生計を立てられないため、ラオス国内の他県や中国で異なる職業に従事している。

私は今回の会話で、生産者視点によるVPHの実利的な面を知ることができた。振り返ってみるとVPHの存在価値は「みんなが集まれる居場所」という面にもあるのかもしれない。

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