JICA海外協力隊の世界日記

ラオスの暮らしを知りたい

SDGsや環境教育も絡めたうちわ作りのワークショップ

Forestry Training CenterFTC)」は首都ビエンチャンの小学校でうちわ作りのワークショップを開催した。ワークショップは講座、実演、うちわ作りの3部構成。講座では「Vangvieng Posa Handicraft(VPH)」のうちわ、手漉き紙、紙布、手提げ袋などを持参した。ただ口頭で説明するのではなく、実物を小学生に触れてもらうことで理解力促進を狙った。内容は森林破壊、自然災害、プラスチックのゴミ問題について、職員の言葉で小学生に問いかけた。小学生は実物を配ると我先にと手を伸ばした。そして実際に触れながら、職員や周りの先生と会話を始めた。

職員は今回、特にプラスチックのゴミ問題について比較を通して重点的に語りかけた。例えばプラスチック製のごみ袋と手漉き紙で作った手提げ袋を比べながら、プラスチック製のゴミ袋は土に還らないことや、天然の材料ではなく化学的な物質であることを伝えた。他にも手漉き紙と竹で作られたうちわとプラスチックのうちわなども使用して、FTCのうちわが天然由来であることも宣伝した。

工芸品の素材が自然由来であることを伝えるときは、手漉き紙の原料である「カジノキ(ポーサー)」がラオスでどのように使われてきたのかを紹介することで、工芸品には自然の恩恵が必要であることも知ってもらえるようにした。

うちわの実演では職員たちがうちわづくりの工程を小学生たちに披露した。小学生たちは想定していた以上にうちわへ興味を示した。小学生は職員の近くまで詰め寄り、真剣な顔で工程を眺めていた。何人かの小学生は、やりたい、と職員にお願いもしていた。

うちわ作りでは、職員たちが子どもたちに各工程で丁寧に作り方を教えていた。小学生たちは想定していたより真剣。一つ一つの工程にじっくりと時間をかけていた。この経験を通して、小学生たちもうちわや手漉き紙に親しみを持ってくれたらうれしい。さらには手仕事の存在や自然の大切さを知ってもらえたらもっとうれしい。職員たちはかなりやりがいを感じているようでワークショップが終わっても笑顔が絶えなかった。その姿を見て、私は職員の自尊感情が高まっていると感じることができた。

うちわ作りのワークショップについて職員は実施にかなり積極的。ワークショップの準備から当日まで職員たち自身で計画的に実行もできる。この経験を活かして様々な場所で今後もワークショップを実施していってほしい。

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