JICA海外協力隊の世界日記

コンピュータと絵本

コンピュータと絵本プロジェクト2

 去年のセメスターが終わって、来期、つまり今年、ゲームプログラミングの特別コースをやりたい、と学部長に提案しました。これは、モザンビークの昔話をベースとして、そこに、簡単なゲームを載せてみよう、というプロジェクトです。去年基礎を教えた学生に、実践的なプログラミングの経験をさせたい、という趣旨の提案です。学部長はとっても興味を示してくれました。他の先生達にも声をかけてくれました。ショートコースとして外部からも学生を呼ぼう、とか、情報学部のティーチングスタッフに、この内容を詳しく紹介してほしい、とかいう話も出ました。

 この提案をした時点で、私の任期はあと半年、つまり、次のセメスターが最後です。これまでにもセメスターごとに、私は提案をしました。いつも、学部長はいいね、いいね、と言ってくれました。でも、いざ、実行に移そうとすると、いろいろと障害が発生して、妥協、もしくは諦める、ということの繰り返しでした。だから、今回も、あまり期待をしないようにしていました。

 モザンビークは南半球なので、年末年始をはさんで長い夏休みとなります。毎年2月になってから、新年度のコース時間割調整が行われます。去年の私の提案を実行するためには、学部長だけでなく、スタッフや先生達の協力を取り付けなければ、と思って大学に行くと、学部長が私の顔を見て、いきなり謝るので、びっくり! なんと、自分はもう学部長じゃないんだ、と言うのです。新しい学部長に引継ぎするから3週間くらい待ってくれ、と言うのです。

 驚いたのは、他のスタッフも学生も同じようでした。掲示板には、学部長交代のため、情報学部の授業開始が1週間遅れる、と貼り出されました。他の学校隊員に聞くと、年度はじめの混乱は何かしら必ずあるようです。だから、これも想定内と言えばそうかもしれません。

 新しい学部長に、また一から説明しました。去年教えた学生の中の優秀な学生に声をかけて、ゲームプログラミングの特別コースをやることになりました。いざ、はじめると、例によって、教室のダブルブッキングです。急遽、空いてる部屋を探し回ることになりました。でも、空いてる部屋なんてありません。ちょうど、コンピュータルームでの授業が終わって、警備員が鍵を閉めようとしていました。そこが空いてるなら、そこを使いたい、と警備員に言うと、だめだ、聞いてないから、と言います。時間割によると、その時間は3年生のクラスが使うことになっていました。そのクラスはコンピュータを使わず、通常の講義形式の授業を、別の部屋でやっていました。その先生に、コンピュータルームを使わないなら、使わせてくれと頼むとOKだったので、改めて警備員を呼んで鍵を開けてもらいました。

 やれやれ、この先、無事にこの特別コースを続けられるか、綱渡りの連続です。正規のコースではないので、学生の空き時間にやっています。空き時間には、他の先生が補講を入れたり、テストを入れたりします。だから、時間と場所の確保が大きな問題なのです。去年も綱渡りのやり方をいろいろと学んだので、だいぶノウハウが身に着きました。去年よりはうまくやれるといいのですが。

 上の写真は、この特別コースに参加してくれた学生達です。

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