2018/11/19 Mon
活動
病院の省エネルギー(その2)
10月の世界日記で病院の省エネルギーについて書きましたが今回はその続きです。(上の写真は、病院の入口とシンボルとなっている樹木です。)
この病院のトイレは、大小色々な面積のものがあります。一般外来の方が使用する大きなトイレ、職員のみが使用する小規模なものなど様々です。
基本的には、トイレ入口内のすぐの壁に人感センサー付のスイッチがあり、利用者がこのセンサーを横切ると照明と換気扇が自動的に動き、照明であればライトが点灯し、換気扇であれば換気を行う方式になっています。
しかしながら、長年使用されているため、センサー部の3段階の切替スイッチ(自動、常時入り、常時切り)が故障して、レバーが動かなくなったり、レバーが無くなったりしていて、常時入りの状態で使用されているところが多くありました。常時入りですから24時間365日、照明は点灯したまま、換気扇は動いたままです。
そのことがずっと気がかりでしたので、この前改修工事をしました。工事では、センサーを取り外して、入り切りの普通のスイッチに取り換えようとしたのですが、センサーのリレーが働いているため、そのままでは取り外せないことが分かり、センサーはそのままでその横に空のボックスがありましたので、その空のボックスに通常のスイッチを設け、センサー回路を入り切りする方式にしました。スイッチボックスは、いずれのトイレも入口付近に2箇所ありますので、以前は照明用と換気扇用のスイッチがあったものをセンサー付に取り換えたため、スイッチボックスが一つ余ったものと思われます。このセンサーが故障したため、今回の対応となったのですが、新品に取り換える予算がなく、とりあえずの策としてこの方法にしました。天井裏で配線の組み替えをすれば、新設のスイッチのみでできますが、新たに配線が必要になったり、センサー付が購入できればその部分の取替だけで済みますので、今回は簡単に済ますことが出来る今回の方式にしました。
(写真右の人感センサーはレバー部分が壊れていて常時ONになっている。左は今回新設のスイッチです。)
今回行いましたのは、事務所の一人用の小規模トイレです。この工事を行う前に消費電流を調べてみたら、照明と換気扇で8.8アンペアありました。これを年間の消費電力に直して計算すると次の通りです。
8.8A×110V×24時間×365日=8480Kw
これによる電気代を計算しますと、8480Kw×$0.77×116円/$=757,000円となります。これをスイッチ式に換えますと
8.8A×110V×2時間×300日×$0.77×116円/$=52,000円
(利用者数が少なく、土日・祭日は休みのため一日の稼働時間や日数を少なくしています。)
となりますので、大幅な省エネルギー効果があります。
但し、これには大前提があります。それは使用が終わった時に、必ずスイッチを切ってもらえるという前提です。
そのため、今回工事したトイレ以外にもスイッチ式のものがありましたので、利用しないときの切りを徹底していただくため、写真のようにスイッチの上部に注意書きを貼るように、そして切りを励行することを促すため、全職員宛にメンテナンス部の責任者からメールを発信していただきました。
不要な照明の消灯はこの病院に限らず、日本の一般のご家庭でも同じです。省エネに努めましょう。
(写真では約450㍑の樽になっていますが、提案はプラスチックの1トンの貯水タンクです。出典AMAZON)
次に、水道水の省エネルギーです。この病院の清潔を保つため、毎日(土日を含めて)モップによる床ふきが行われています。診察室、検査室、薬局、病室、事務室、廊下など至る所です。私の所属するメンテナンス部の部屋も、平日は毎日清掃してもらっています。ただ清掃後のモップの洗浄は水道水で行っています。一般的には、どこでも水道水により行われていると思います。しかし、この島は毎日数回に分けて合計で2~3時間ほど大雨が降ります。この雨水を洗浄に利用すれば水道水の消費量は当然減少し、経費的にも削減が見込めます。日本では補助金を出して奨励している自治体もあるとお聞きしています。
インターネットでは、雨水利用の方法について数多く紹介されていますので、それを資料としこのことを提案しました。1トンの貯水タンクは、日本の価格では約5万円程度です。これに屋根から雨水を引き入れたり、モップ洗浄のための水栓やホースを設けたりする費用が必要となりますので、もう少し経費は必要かと思いますが、水道を使用するよりは経費の削減となり省エネにもなります。いずれの日か実現することを願っています。
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