2016/03/16 Wed
学校
今、何時?
小学校で活動しているホンジュラスのJICAボランティアは、算数や数学の基礎学力向上等に取り組んでいる。算数プロジェクトというチームでの活動もあり、一丸となっても頑張っている。
家庭科にも数字は関わっていて、例えば布を切ったり縫ったりする際に「センチメートル」や「インチ」を用い、調理では水や牛乳を計量する際に「ミリリットル」や「リットル」、また砂糖や小麦粉を計る際に「グラム」や「リブラ」を用いる。
でも何よりも…それよりも時々生徒が「今、何時?」と質問してきて、「時計はそこにあるよ。自分で見て」と答えると「時計が読めないの。だから教えて」との返事が返ってくる。
初めはその返答にとても困惑した。どういうこと?????
ある日、小学校で活動する同期に質問したことがある。「学校の算数の時間に時計を読むのは教えないの?」との回答は、教える時間が足らないとの事だった。年間計画で授業時間を考えているけれど、突然の学校行事で授業時間が減ってしまう。中学校高校も突如授業が無くなってしまうことは日常的にある。
恐らく中学生や高校生もアナログの時計が読めない生徒は半分以上いると思う。デジタルの時計は読めても、アナログの時計は読めないという事実は、1年以上経ってもたまらない気持ちになる。
またある日、数学の授業を見学させて貰った。丁度、連立方程式をやっていたけれど、足し算、引き算は出来ても、かけ算、割り算が全く理解できていない生徒が半分以上いる事実をも知った。それ以来、時々、数学の授業見学をさせて貰って、生徒のノートをのぞき込み一緒に解いたりもする。
地道だけれど、少しずつ少しずつ、生徒らの学力が向上しますように。貴重な学生生活の時間で十二分に学び成長して欲しいと願いながら、時々数学の先生であり、家政科の先生をする自分がいる。私が出来る範囲でやれることは何でもやらせて貰いたいし、力になれることなら何だって協力させて欲しい。それは同時に自分も学ばせて貰っている時間でもあり、気づくと生徒に助けられている事が多いと思う。
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