2016/08/21 Sun
町
巡回計測
日本の暮らしのように、案外何でも売っていて特別なモノ以外なら大体手に入るグラシアス市内でも、ほんの少し離れると一世代前の暮らしがある、いわゆる家が土壁、トイレは屋外にある、そんな事を聞きました。先日その場所へ乳幼児の巡廻計測をしに、JICAボランティア仲間の助産師さんについて行く事が出来ました。
5才未満の子どもが「野菜」が売られる様に、吊られて体重を計測する…噂は聞いていたけれど、実際に見ると面白い、なるほど!でも子どもにしたら怖いことで、泣き叫ぶ子、意外と達観して吊られている子等、そんな表情を眺めていました。日本で言う『母子手帳』はホンジュラスには存在せず、代わりに体重の値をグラフに記し、一目で発育の経過を見られる表があり、他にも予防接種のこと、離乳食のことが記載されています。しかしながら、それがどこまで読まれているか、活用されているのか定かではありません。グラフが読めず、下手すると文字の意味が分からない方もおり、「測定だけした」と言うことで止まってしまいます。また体重も1才を過ぎた頃から増えず、成長が進んでいない、でもさほど気にとめず、そんな状況も目の辺りにしました。「どうしてスナック菓子は食べるのに、ご飯は食べない?」「ご飯のあげ方、調理の仕方を変えてみたらどう?」助産師さんとお母さんのそんな話しのやりとりが聞こえてきました。
どうして?を考える事が、他の方法を試す、工夫をするという事へ繋がること、理解をして貰えても実践して貰うまでには、まだまだ時間が掛かりそうです。
今、現在子育てをしているお母さん方へ知識をつけて取り組んで貰うこと、そして同時に、小学生中学生といった未来を担う子ども等に教育をすること。これを同時に行って初めて数年、数十年後に定着するという時間を考えると、私達JICAボランティアの取り組みは改めて地道だと感じると共に、その日が来るまで希望を持ち続けていたいとつくづく思います。
さて、私自身の活動として、同僚と協力して1週間の参考食事メニューを作りました。カロリー、栄養価の計算をしたものではなく、「ホンジュラス一般家庭の炭水化物、脂質、そしてタンパク質に偏っている食事」へ『どうすれば、もっと野菜を摂取して貰えるか?』という視点で作ったものです。お世辞抜きに革命的なメニューではありません。ただ、ほんの少しのきっかけを、気づきを、生徒や生徒の保護者等へ届けられたらと願っています。来月はこれを活用して授業をさせて貰えるかな?挑戦して、修正して、改良しての繰り返しが終わることなく続きます。
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