JICA海外協力隊の世界日記

エクアドルBOSAI日記

防災隊員って?

¡Hola! ¿Cómo está? (オラ、コモエスタ?)こんにちは。皆さんお元気ですか

初めましての方も、いつもこの日記を読んでくださっている方も本当にありがとうございます。

先週末は、参議院選挙の在外投票のため首都にある在エクアドル日本国大使館へ任地サリーナスからバスで約12時間かけて行ってきました。10分もしないうちに投票は終わったので、せっかくなのでその後はシエラ(山岳部)地方を少し散策して帰ってきました。数時間で3.000メートル級の標高から海抜ゼロメートル地点へ行けてしまい景色も気候も生態系もすっかり変化するエクアドルの自然が不思議ですが、だからこそこの変化がゆっくり見られるバス旅はやめられないです。

(写真1枚目:ボリーバル県グアランダ市にあるギターの形をした展望台から望んだ風景。とっても綺麗)

今日は、防災隊員って何だろうということを少し突き詰めてみました。

よく聞かれる質問に答えてみました。

1.防災隊員って、消防士ですか?

→消防士出身者しか応募できない要請もありますが、私のように震災被災市役所における復興業務の経験等、何らかの形で防災に縁した人ならば誰でも応募できるボランティア要請もあります。

2.防災隊員って、理系じゃないとだめですか?

→私は文系出身者です。専攻は教育社会学。

エクアドルでは大学での専攻分野がそのまま職業の肩書として捉えられる傾向にあります。それを言ってしまうと防災の仕事とは全然関係ないのではとよく言われますが、専攻分野で説得性が欠ける分、仕事ぶりで認められるよう努力しています。

前職は公的機関勤務です。役所の事務仕事は国が違えど構造的には似ているため、書面主義の業務過程については早く理解できました。エクアドルで危機管理を勉強してきた人は理系の技術職が大半を占めるので、理系出身者はとても重宝されます。

とはいえ今実際に私がエクアドルで行っている活動は、教育機関やコミュニティでの防災研修(防災教育)なので、学んできたことや過去の経験が無駄であったことはなく、日本の災害や教訓も含めて普段の研修で伝えています。

(写真2枚目:サリーナス市内の学校にて。小学校高学年以上には、スライドや災害について学べる動画を使って主に地震・津波について研修しています)

3.防災隊員って具体的に何をしているの?

→過去の先輩隊員の報告書などを見ていると、国の危機管理庁など省庁系に所属する方、私のように市役所配属になる方、消防局などに配属になる方(こちらは主に消防士の方)がおられます。

所属先によって職務内容にも差が出ますが、私のように市役所配属の場合、危機管理部等に所属し、同僚たちと市内教育機関や様々な場所で行われる防災教育やコミュニティ防災に携わり、避難訓練などのイベントも主催することが主な業務になります。

私は年に100回ほど、市民一万人以上(延べ人数)に防災研修をしたほか、他隊員が活動する地方における防災研修を行わせてもらい(赴任10か月目頃からこれまでに計12回実施)、最後半年間の任地での目標としては、新たな防災教育ツールを広めるための学校教員向け研修を行う予定です。

2019年3月には統一地方選挙があり、2月と3月は市職員全体が選挙活動に繰り出していた状況もあって、業務はほぼありませんでした。毎年2月から4月はコスタ地方(海岸部)の学校が年度替わりの長期休みであることからも、同時期に長期旅行を行うなど時間を有効に使えます。

ちなみに、役所で決まった出勤時間はありますが、夜の救命講習や防災研修などが入れば、土日や平日夜遅くまで働くこともあります。そういう時は、振替休みをどこかでもらって過労で倒れないよう気を付けて過ごしています。(去年は同僚が立て続けに解雇になったので、人員不足でとにかく必死で働いている時期がありましたが、それを続けていては正直心身が持ちませんでした)

(写真3枚目:サリーナス市内の学校にて。幼児から小学校低学年に行っているPATOBOSAIという教材を使った防災研修の様子)

今思いつくのはこのぐらいですが、その他気になる質問があれば今後こちらの日記でも伝えていければと思います。

¡Hasta Luego! (アスタ・ルエゴ)それではまた。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ