JICA海外協力隊の世界日記

純風満帆なバウカウ生活

病院の挑戦 ~地方共生の風~

どーも、雨季まっしぐらのティモールから小林がお届けします。

さて、今回は病院紹介制度の導入について。

日本は今大きな総合病院に行く際、紹介状が必要ですよね。紹介状持参でない場合、初診料と別に5000円くらいとられるの知っていますか。これは、地域で地域住民を見ていくという考え方の元、簡単に言うとかかりつけ医で治療コントロールを行い、対応が難しい場合は総合病院へと紹介するという流れを作るためです。

東ティモールでも保健省がこのような流れを進めています。

地域のクリニックやHealth postなどで治療をし、難しい場合に地域拠点病院に送る。筆者の地域でいえば、筆者が勤めるバウカウ県病院へと送られてくるという流れです。

医療費無料の東ティモールでは、日本と同じように医療費削減のためにこのシステムを導入する流れもあります。しかし、それよりも重要なのはインフラの整わない国だからこそ都市部と地域部での差が生じないように、地域で見ていくという考え方を一人ひとりが持つことです。(ティモール人にはあまりこの問題意識がない)

例えば、筆者の活動期間中に総勢38人の入院脳卒中患者が理学療法を受けましたが、退院後に再診を受けているのはたった3人です。多くは家からでられないか、適切な情報を得られずにその後の治療を受けられていません。特に住所が整備されていないティモールでは、在宅支援をしようにもフォローアップができない場合が多くあります。

今回のように病院と地域の連携が進めば、このような症例に対する道が開けるのかなと期待しています。

そんなこんなで、現在毎日朝と夕方にディレクターが直接患者へシステム導入について説明しています。

課題はいっぱいですが、長く続いた戦争で地方分裂が起きていたティモール(独立戦争時、インドネシア併合派か独立派かで地域内でも軋轢があった)に共生の風が吹いてほしいですね。

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