JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア日記・ザ・介護士ともあん

みんなよく観ている

有り難い、という意味合いで、
みんなよく観てくれてるなあ、と思っています。
(目が見えなくても私の声を聞き分けてくれて、見えず聞こえなくてもスキンシップを感じとってくれる)

日々、私自身が活動の中でどのような印象を人々に与えているかを振り返ると、日本で得るものとは異なる発見があります。

ちなみに、
ただ今、イポーというマレー半島北部の街へ電車で向かっています。
イポーはモヤシが美味しいことでも有名で、水がきれいなので良質のモヤシを栽培できるそう。
(写真はちょっとでも賢く見えるよう新聞を置き、食べ終えた朝ごはんのパッケージを隠したヤラセ。英字新聞を買ったのは、マレーシア人マダムから英語の勉強を真剣に勧められたからです。)

それでは、これまでの1年間で私の印象について同僚やご高齢者から言われたことを挙げていきます!
(思い出した順)

「チャイニーズ?」、「サバ人?」
 →配属先である高齢者入居施設で活動を開始して間もない頃、入居者であるご高齢者に日本人であることを毎日お話していた。皆さんにとっては、高齢者施設へ日本人がボランティアでやって来ることが驚きだった様子。まれにボルネオ島サバ州の人に見えることもあるらしい。居住地域ではほぼ中国語で話しかけられる。

「マレーシア語を喋るのが上手。」
 →これは自慢ではなくて、私の経験では、日本人が英語ではなくマレーシア語を喋っている、発語する、というだけで褒めてもらえる。配属先や地域には、私の他にマレーシア語を喋る日本人がいないので、比較対象がいなくて実にラッキー。褒められて伸びようと思う。ご高齢者をはじめ誰でもマレーシア語を教えてくれる環境に恵まれたのも幸運。最近は「英語はあんまり...」と付け加えられることがある。

「イスラム教に入る?」
 →配属先には、入居者のうちイスラム教徒を対象としたクラスがあり、宗教指導者がイスラム教の教えや正しいコーランの読み方を教えている。私はそこで入居者のお手伝いをしているので、学んでいるご高齢者から改宗を期待されるのも無理はない。(④につづく)

「なぜ演じるのか?」
 →この問いの意味は「なぜキリスト教徒なのにスカーフを被ってイスラム教のクラスに入り、イスラム教徒に迎合するような行動をするのか?」という非常に直球のご質問で、忘れない出来事の一つ。この問いを投げかけた方はイスラム教徒の入居者。彼女の素晴らしいところは、私に「演じずに自分の心に従いなさい」と訴えかけてくれたこと。日本語でも説明が難しいアイデンティティに関わるこの問題を私たちは30分以上こんこんと話し合った。結果、私の行き着いた答えは「加齢により、例え動くのが困難になっても学び続けたいご高齢者がいるなら、私は手伝いたい。礼拝所へ出入りするのにスカーフを被らねばならないなら、それは手伝えるための必要な手段。私は自分の信仰に嘘はついていない」となって今日がある。

「何でも美味しいと言う。」
 →本当に美味しいと感じて言っている。ただ、単に何でも美味しいでは芸がないので、「日本の納豆と、生のPetai(プタイ)以外は何でも食べる。」と言い返すことも。Petaiは豆の一種で、炒めたPetaiは逆にとても好きです。

「何処へでも入って行く。」
 →配属先は、入居者約200名、職員約90名の大所帯。心身ともに落ち着ける場所を探し求めることから始まり、さらにナースステーション、厨房、洗濯場へも入って行くことで日本人ボランティアの存在を知ってもらえるよう努めました。人と気が合う、合わない、を考えずに入って行くことを親しい同僚が褒めてくれた。

「平等に接する。」
 →ご高齢者への対応を見て、そのように感じるようです。ご高齢者おひとり、おひとりの個別性を尊重し、接していくことを日本で学び経験してきました。これからも精進します。なお、ある同僚が、日系企業の現地工場で働いていた時、当時の日本人工場長が従業員の国籍に関係なく平等に接していたので感心した、と話してくれたのを思い出しました。従業員それぞれを尊重していたということでしょうか、同じ日本人として嬉しく思います。

「クレイジー。」
 →失敬な!(笑)と思わなくもないけど、かけがえのない友情から出た言葉なので、謹んで受け取っています。私の配属前、介護職のみんなは、どんな日本人ボランティアが来るか楽しみ、というよりも、どちらかと言えば不安があったらしい。「どんな立場の人が来るのか?」、「マレーシア語が分かるのか?」など。「会ってみたら大丈夫そうだったけど、それでも親しくなるのに時間がかかったね。」と打ち明けてくれた。「結果、クレイジーな日本人だった。」...うれし涙。

ここまで書いてきて、
ネガティブな意見も記憶から絞り出してみたけど、思い当たらず...都合よく忘れているかも?

今回書いてみたかったのは、私個人がどのように評価されているか、ではなくて、日本で介護職として経験したあらゆることが人との関係に影響している、という気づき。良しとされることは活かしていこうと思う次第です。伝わったら嬉しいな。

首都クアラルンプールから約2時間半の列車の旅もまもなく終わり。
読もうと思った英字新聞は被写体で終わり。友達との再会、旅人との出会いが楽しみです。

イポーより。

20230504_174652.jpg

↑おまけ
イポーはコーヒーも美味しい街。小洒落たお店でたくさん喋って長居して、そんな友の存在に感謝です。

SHARE

最新記事一覧

JICA海外協力隊サイト関連コンテンツ

  • 協力隊が挑む世界の課題

    隊員の現地での活動をご紹介します

  • JICA 海外協力隊の人とシゴト

    現地の活動・帰国後のキャリアをご紹介します

  • 世界へはばたけ!マンガで知る青年海外協力隊

    マンガで隊員の活動をご紹介します

TOPへ