JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア日記・ザ・介護士ともあん

世界アルツハイマー月間 その2 分からない世界に身を置く

こんにちは!

写真は、マレーシア手話で「Tolong(助ける)」


「Tolong」を表した手を差し出せば、誰かを助けることに、
その手を自分の方に引き寄せると、誰かから助けてもらう、の意味となります。

差し出す、または引き寄せる・・・
シンプル、それでいて、「助ける」「助けられる」の行いに気持ちも乗っていくように感じました。

マレーシア手話を習い始めたばかり。
聴覚に障がいをお持ちのクリスチャンのグループに入れてもらって、毎回ちょっとずつ覚えています。
( 前回の様子はコチラから → 「世界日記」

手話通訳の方に説明してもらい、真似しながら一つ一つ覚えては、ちょっとずつ手話で伝える、を繰り返しています。ですから、「Tolong(助ける)」を覚えた時は、
「私は手話を学びたいです。私を助けてくれて、ありがとう。」とか、
「皆さんは私を助けてくれます。(だから)私は手話を学ぶことができます、ありがとう」と、繰り返し手話でお伝えしました。
そこに皆さんが根気強くお付き合い下さったことが、とても有難いなあ、と感じています。

そんな、日本手話も知らないスーパービギナーのわりに、手話でコミュニケーションを図るところへ入って行けるのは、その環境が私にとって安全だと信じられて、安心できるから。

次に、

ところ変わって、マレーシアで愛する場所の一つ、Valley of Hope ( ECHOES FROM VALLEY OF HOPE ) から。

中秋の名月を祝って、
ハンセン病当事者の皆さん、そのご家族、地域の人びと、NGOの Care and Share Circleの皆さん、そしてボランティアの人たちが集まりました。

今年のお祝いには、大小さまざま200羽ものウサギ型のランタンが手作りで用意されました。20230923_162004.jpg

ランタン作りのワークショップに参加した時は、全編、中国語。
しかも、中国語と言っても、マンダリンや広東語、福建語、客家語などがマレーシアで使われています。どの中国語で話されているのか、もちろん私には分からず、その世界に身を置いてウサギを作りました。

それでも、有難いことに皆さんが、私を日本人と知って英語で通訳して下さったので、チンプンカンプンで終わることなく、おしゃべりしながら、ときどき聞き取った中国語を真似して覚えられるのも楽しい経験でした。


唯一、通じる私の中国語は、「你是我的老师」(あなたは私の先生です)
意外とコミュニケーションに広がりが出て面白いです。


やはり私はここでも安全だと信じ、言葉が分からなくても気持ちは安心で、ランタンの灯りを頼って皆さんと歩き、中秋の名月をお祝いすることができました。

さいごに、

配属先の高齢者入居施設へご案内します。

ここでは、私は、少しマレーシア語が分かるものの、あらゆる物事において分からないことだらけのマイノリティです。
ですので、入居されているご高齢者やスタッフの皆さんに声をかけ、声をかけてもらえる、すなわち存在を認められている関わりのひとつひとつに安心感を頂きます。

マレーシアでの私の経験は、認知症ケアの「パーソン・センタード・ケア」に通じるかもしれません。


コミュニティのなかで、尊重され、人びとと関わりながら役割をもち、その人らしく生きる

認知症をお持ちの方にとって、物事の事実関係は忘れてしまいますが、その時感じた感情は心に長く残っている、と言います。
たとえば、「怒鳴られた、怒られた」だから「あの人は怖い」・・・のように。
確かに、認知症をお持ちの人が、誰かに謝っている様子を話しているように見受けることが過去にありました。

「あなたの味方です」と言えるほど、私は頼りないのが現実なので、
せめて「敵 (?)ではないですよ」という思いでご高齢者に歩み寄っていきたいです。
そうして誰かが、「トモコは味方だ」と感じてくれて、側にいられたら、私は幸せ。

皆さんの安全で安心のある生活を祈っています。

Hasta pronto( スペイン語で「またね」)
JICA二本松訓練所の同期隊員、ゆいちゃんの「笑顔で世界をつなぐゆい日記」より頂戴しました ♪
ゆいの明るい笑顔に私は励まされます!

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