JICA海外協力隊の世界日記

マレーシア日記・ザ・介護士ともあん

令和6年2月14日(火曜日)の日記「伊勢 風見荘 ヘルパーの1日」編

今月はじめに父の緊急入院の知らせを聞き、マレーシアから急遽ふるさと伊勢市へ一時的に帰郷。入院先から近いゲストハウス、風見荘でヘルパーとしてお掃除等をお手伝いしながらお世話になっており、父の入院に関わることをやっております。そんな訳で、今回は風見荘と伊勢での1日をお届けします。

午前 晴れ 

6時前

風見荘 3階 屋根裏部屋で、目覚まし無しで目覚める(朝型人間)

7時 

オープン作業 気温7°c


玄関の鍵を開けたり、照明や暖房をつける。10分程度で終了。数人のお客さんは起きていて、ヒソヒソ声でお互い挨拶を交わす。海外からのゲストには、「おはようございます」と「Good morning」の両方で。

9時にお掃除が始まるまでのこの2時間、1階のフリースペース(冒頭の写真)でコーヒーを飲みながら過ごす。朝型人間、私の一番好きな時間。来月で任期終了なので、各種報告書を作る。時々、お客さんとおしゃべりしながら。報告書に使う写真を探し、ふと目をとめると、マレーシアの友達が恋しくて、ジン、とする。

9時 

お掃除開始

オーナーやスタッフらと今日の予定を確認、そして作業に取り掛かる。今日のお当番は、ベッドメイク。

ベッドメイク中、母から電話。作業を進め、かつ母とも話したいのでスピーカーを使う。「今日はバレンタインやから、チョコレートを買って、自分のご褒美にしてあげなさいよ」と。昨日、少し言い合いになったのもあって、母からのいたわりに「電話をくれてありがとう」と嬉しくなった。

お掃除の際は、腰痛予防に効果的なボディメカニクスを使って動くようにしている。また、介護経験から学んだ、「1秒の手間を惜しまない」心の持ちようで、ケガなく落ち着いて作業できる。

午後

12時 

まかないご飯を作る。

昼食または夕食の当番制。冷蔵庫にある食材と相談して作るのが楽しい。メニューは、炒飯(残りご飯、お肉、ネギ)とスパゲティサラダ(スパゲティ、ツナ、玉ねぎ、ピーマン)

ご飯を食べながら、ヘルパー仲間のみーちゃん(写真左)と、宿泊の管理をしているスタッフのミスターサトウ、彼ら2人、若者の夢を聞かせてもらった。若さが眩しい☆

2時すぎ 気温17°C 

伊勢市役所へ行く。

風見荘から、散歩がてら歩いて伊勢市役所へ。
市役所までの道のりには、昔ながらの魚屋さん(写真右)やお豆腐屋さんがあって雰囲気がいい。

市役所へは、「特定医療費 支給認定 申請手続き」のためにやって来た。
今回の入院治療で、父が
強皮症」という指定難病に罹っていることが分かった。今後の治療のために、この申請が必要となる。あと、透析治療が必要なほど、腎臓の機能が良くない。


必要書類を提出したが、
不備があったので、差し戻し(泣)。書類には父の直筆がいるので入院先に連絡して、父本人に書類の加筆修正してもらいたい旨を伝える。

3時半 

父の入院先へ自転車で向かう。

いったん風見荘へ戻り、自転車を借りて病院へ。

自転車を漕ぎながら、昨日父が私に言った、
「また書類持って(病院に)来てな。書類あるって言うたら会わせてもらえるでな(笑)」の言葉通りになったことを思った。

病院に到着、面会の手続きを済ませる。車椅子で面会室まで連れてきてもらった父は疲れた様子。訳を訊くと、「身体が思うようにいかん・・・」と。
父はもともと職人で大変マメな人。入院前まで、自転車を漕いで何処へでも行き、また、地域の人びとから頼まれて色んな所でお庭の手入れをしていた。だからこそ「思うようにいかん」歯痒さ、は私にも分かる。

そして、父は入院して以来、透析などの治療が、今後の人生にどのような意味をもたらすのかを毎日考えている。迷いも含めて、私たちは話し合っている。それが、私のお役目かな。

今日は、私にとって有難い瞬間があった。

父を面会室に連れてきてくれた担当看護師の方が、私と目を合わせ、
「終わったら、声をかけて下さいね。話したいだけ、話して下さいね」と言ってくれた。このような温かい環境で治療を受けられて、私たち家族は幸せだ。

4時半 

再び、伊勢市役所へ

加筆修正したものを再提出。受理してもらえて、ひとまず今できる手続きはコンプリート!

夕方

5時半 

回り道をして帰る。(写真左)

5時を過ぎると、伊勢神宮 外宮周辺のほとんどのお店は閉まって、静かに夕暮れを迎えていた。(写真左)

6時 

お夕飯。

風見荘に戻ると、2階のキッチンで、夕食当番のみーちゃんが厚揚げの炒め物を作っていた。(写真右、3階から撮影)調理後は、1階のフリースペースへ運んで、みんな一緒に食べる。今日はバレンタイン・デーなので、キューブ状のチョコレートをスタッフみんなで買って、お客さんと一緒に食べた。午前、母の言ってくれたことが叶って、自分にご褒美をあげられた。


風見荘のゲストは、日本全国各地、海外からも多い。例えば、フランス人女性は、伊勢に来た理由を、志摩地域にも行って海女さんに会いたい、と話してくれた。皆さんから、伊勢志摩の色んな魅力を聞かせてもらえて、地元民として嬉しい。

11時 

クローズ作業。

風見荘ヘルパーの一日、最後のお仕事。玄関の鍵を閉め、消灯し暖房を消す。みーちゃんと私は朝型人間なので、夜11時となると、ほとんど死人のように動けず無口だ(笑)10分程度で作業を終えて、それぞれお部屋へ戻り、暖かいお布団へGO!

・・・以上、
風見荘ヘルパー、私の一日でした。読んでくださって、

おおきんな!」(伊勢弁で「ありがとう」)

私たち家族は、マレーシア、日本の皆さんの優しい言葉とサポートに励まされています。
この場を借りて、心よりお礼申し上げます。

どうぞ皆さん、
ぜひ、伊勢風見荘

おいなぁ〜い!「いらっしゃい」」

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