JICA海外協力隊の世界日記

ブラジルピンダのこんちゃん日記

28. オンライン帰国報告会

BOA TARDE! (ボア・タルジ:こんにちは!)

先日、JICA関西主催のオンライン帰国報告会に参加しました。ブラジルで2年間貴重な経験をしたこと、ブラジルの日系社会の存在、協力隊のことをもっと知ってもらいたいという思いから、参加させていただくことにしました。この報告会は、活動紹介を通じて、企業や一般の方が国際協力への理解を深めることを目的に開催されました。なので、企業の方、そして一般の方が視聴者として参加され、中には私の母校の恩師や後輩たちも聞いてくれていたそうです。

日本での生活にすっかり慣れた今、発表する資料を作りながら2年間を振り返れば振り返るほど、ブラジルで磨きがかかったポジティブ思考の影響で(笑)、苦労したことよりも楽しかったことしか出てこなくて、発表がただの「最高の思い出発表会」みたいな内容になりかけて何回も発表内容を作り直しました。でも個人的には、この発表を通して私が2年間配属先の方達と一緒に楽しみながら活動していたことが伝わることで、聞いている人のJICAボランティアへの興味を引くきっかけになっていたら嬉しいです。

活動のことを初めて聞く人に対して、私のかなり濃いブラジルでの2年間を10分間で伝えるのはさすがに難しかったですが、私が2年間大切にしてきたことを中心にお話させてもらったので、こちらでも簡単にご紹介します。

・一緒に悩んで、一緒に解決して、一緒に喜ぶこと
・みんなが自信を持てる環境づくり

私が最初から最後まで忘れてはいけないと思っていたこと。それは、ボランティアはあくまで一時的な存在で、実際に将来の日本語学校を担っていくのは現地の先生たちだということです。一言で言うと、ボランティアが必要なくなることが最高なことなんです。そんなボランティアの私ができることは、現地の先生たちの悩みに寄り添って一緒に悩んで一緒に解決して一緒に喜ぶこと。そして、将来の日本語学校を担う先生たちが、「自分たちだけでやっていける!」と、胸を張って、自信を持って仕事ができる雰囲気や環境をつくることなんじゃないかなと思いながら活動しました。実際に、今では先生たちが自分のアイデアや実践例を先生同士で共有したり、生徒の現状を共有して先生同士で相談したり、そういうことが当たり前のように行われるようになっています。
そして、そんな活動を経て、自信を与えられる立場を担おうとしていた自分が、気付かないうちに現地の先生たちから自信を与えられていたんだとわかりました。日本に帰国して、仕事に復帰して、確実に精神面で大きく変化していることに自分でも驚いています。

報告会で、「あなたにとってボランティア活動とは?」という質問に、私は「相手・周囲・自分がWINになる活動」と答えました。ボランティアって「誰かに何かをしてあげる」「助けてあげる」のような「与える」側のイメージを持っている人が多いんじゃないかと思います。私は決してそうじゃないと思っていて。ボランティア活動って、それに関わる人それぞれが何かを学んで、得て、結果成功するかどうかというよりも、最終的に関わったみんながハッピーになる。ボランティア活動してるのがえらいとかすごいとか、そんなことじゃない。うまく言えませんが、そんな感じに思っています。
なんだか偉そうなことを言いましたが、私個人としては、ボランティア活動をする人が楽しむことが一番大切なのかなっと思いますね。

ついつい長くなってしまいましたが、今回のオンライン帰国報告会を通して、2年間ブラジルで活動した自分を振り返ると同時に今の自分を見つめ直すことができて、自分の経験を伝えることの大切さを実感しました。貴重な機会をありがとうございました!

次回はブラジルで見たシリーズです。お楽しみに!
ATÉ MAIS!(アテ・マイス:では、また!)

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