JICA海外協力隊の世界日記

音の風景 in Sri Lanka

♪14  思い出のコラージュ③二つの任国トンガとスリランカ

アーユボーワン!こんにちは。スリランカ音楽隊員だった久保治代です。

今回は二つの任国トンガとスリランカについてお話します。

自己紹介の回でも書いていますが、20201月から2022年6月にかけてトンガとスリランカで活動していました。途中一時帰国の時期があるのでそれぞれの国での滞在期間は短いですが、2年半の間に二つの異なる地域に赴任するというのは貴重な体験でした。

1.トンガの様子

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こちらがトンガで語学研修の一環でバスで島内を回った時の写真です。

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こちらは活動先の学校での歓迎会。テーブルクロスの代わりにバナナの葉を使っているところがトンガらしいです。私が活動していたトゥポウ高等専門学校はすぐ隣がJICAのドミトリー、徒歩5分以内のところにJICA事務所や大使館があり、海岸にも出れる好立地でした!トンガでは雨水も利用していて、雨水で顔を洗うと石鹸を使わなくても肌の調子が良くてすべすべします。水自体に威力があると感じました。また人々の人生観に共感するところがたくさんあり、第2の人生を送るうえでとても参考になりました。

スリランカに赴任する前日までがトンガ隊員、翌日からスリランカ隊員に変わりました。スリランカに来てからも寄贈品の関係でトンガとも連絡を取っていたので、別の国から別の国の活動をするというのは面白かったです。

2.二つの任国の共通点と相違点

挙げればきりがないですが、私が印象に残ったものをざっとまとめてみるとこうなります。

①共通点

 ・常夏だが風が心地よく、雨にも恵まれている。

 ・伝統文化を大切にしている。

 ・教育熱心

 ・島国で首都に人口が集中している。

 ・英語が通じる(特に首都圏)

 ・楽器関係の備品、消耗品は輸入に頼らざる負えないので、修理や補充が課題。

 ・音楽に関しては理論中心で行われてきたが、課外授業で演奏する機会はある。

②生活していて気付いた違い(思いついた順)

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トンガでは学生のほとんどが男性、スリランカでは女性でした。たまたまその学校がそうだったのかもしれませんが、同僚もそんな割合でした。

音楽教育に関しては、トンガ人は開放的で歌がうまく、特にハーモニーづくりに優れています。スリランカ人は勉強熱心で理論先行の印象ですが、難しいこともよく理解しています。その後に演奏に生かすという感じです。

2022年、火山の噴火でトンガは大きな災害に見舞われました。トンガ隊員だった人たちでメッセージ動画を作成して送るというお話があったので、スリランカからも参加しました。日本文化の紹介も兼ねて、スリランカの学生たちに鶴を折ってもらい、応援メッセージと共に写真を送りました。(鶴は音楽室に飾っています)

広い地球では常にどこかで何かが起こっていますが、現地に行けなくても支えになれることは何かなと考えることが大事だなと思いました。

途上国では楽器、特に精密機械は壊れやすいです。管理の仕方にも問題があることが多いですが、日本に比べて埃っぽかったり湿気が多い、といった環境にも原因があります。生ピアノは調律に費用が掛かり、電子ピアノは停電だと使えないし壊れやすい。管弦楽器はコンパクトでメインテナンスは消耗品次第のところがありますが、鍵盤楽器はそれに比べていろいろ課題があります。寄贈も木製品にあたるので送ってもらいにくいですし。なので、自国で維持できるメソッドとその専門家がもっと必要だと感じています。

いつかトンガにもスリランカにもまた行ってみたいです。

そうそう、820日(土)近隣の美術館の音楽ホールでピアノソロと弾き語りのワンマンコンサートを行いました。プロフィールにトンガとスリランカに赴任していたことを書いているので、MC(演奏の合間のおしゃべり)で二つの国の思い出をお話しました。こんなふうに、国際協力にそれほど関心がない方々にも、それぞれの国の良さを知ってもらう機会を作れたらいいなと思っています。

今回もお読みくださりありがとうございました。帰国してから若干投稿ペースを落としていますが、今後もよろしくお願いします。ストゥーティ!

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