JICA海外協力隊の世界日記

タラワの宝

アベヤン島ってどんなところ?②生き物編

前回の移動編に続き、今回は生き物編をお届けします。キリバスでは、サンゴ礁を住み家とした多様な海の生き物が生息しています。そしてそれらは、この国で暮らす人々にとって大切な食料資源になっています。アベヤン島に滞在中も、シュノーケリングやボートなどのアクティビティを通じてたくさんの海の生き物に出会いました。その中でも、特に印象に残った3つの生き物をご紹介します。

1. シャコガイ (英語:Giant clam/キリバス語:Te were)

浅瀬でシュノーケリングをしていたときに見かけました。青く見えるのは、二枚貝が口を開けたときに見える外套膜と呼ばれる部分です。この部分に褐虫藻を共生させることで、光合成により養分を得ています。外套膜の色は、青や緑、オレンジなどが見られ、その美しさから観賞用とされることもあります。

キリバスでは身は食用とされます。また、貝殻も雨水を溜めたり、中に植物を植えてプランターにしたり、豚の餌箱として活用されています。

2. シャコ (英語:Mantis prawn/キリバス語:Te waro)

直訳すると「カマキリエビ」。その名の通り、鎌のように発達した前腕を持ち、貝やカニ、ウニなどを砕いて食料としています。主に砂浜に穴を掘って身を隠していますが、砂地に開いた小さな穴によって居場所を見つけることができます。漁の方法は、穴の前に小さく切った魚の身を置き、おびき出して捕まえます。近年首都タラワ近郊では乱獲によって数が減っており、離島産のものが主になっているため、値段が高騰しています。日本で食べるシャコと比べると、身は白くて崩れそうなほど柔らかく、しっかりと味がする印象です。

3. ウニ (英語:Sea urchin/キリバス語:Te kaabaaetiinoou)

ボートを出してくれた漁師さんが面白いものを見つけ、見せてくれました。これまでも小さいサイズのウニの殻は見つけましたが、手のひらよりも大きなものを見るのは初めてでした。欠けているところもなく完璧な姿で、生きていたときはどのように暮らしていたのか、思わず想像させるほどの迫力がありました。

潮の満ち引きの都合で、アクティビティができる時間は限られていましたが、キリバスの離島の海の豊かさを垣間見ることができました。気候変動や、海洋プラスチックの問題など、キリバスのような小さな島国が抱える環境問題は少なくありません。そして、それは日本と確かにつながっている問題です。こうした豊かな環境といつまでも共生ができるよう、微力ながらもボランティア活動を続けていきたいと改めて感じた旅となりました。

(おわり)

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