JICA海外協力隊の世界日記

ブラジル日系社会からの通信

QCサークル活動

ISHIKAWA図

私の活動先COPASULでのカイゼン活動の第一ステップは「3つの工場の職員のカイゼン活動の教育・訓練」です。これはカイゼン講座とワークショップを実施し、7月に完了しました。
8月からは第二ステップの「職員の具体的なカイゼン活動」をスタートさせました。各工場で同じ工程で働く人同士で数人のグループを作りQCサークル(ポルトガル語でCCQ)チームを作り活動します。
合計60チームができ、これらの各グループが自分たちの仕事の中で問題を発見し、その問題のカイゼンに取り組んでいます。
このカイゼン活動の一番重要な活動が「問題の真の原因を探すこと」です。一つの問題については、一般的にいくつかの原因があります。
これを探す手法として、現在世界的に使われているISHIKAWA図(*)(特性要因図、または魚の骨図)があります。

(*)ISHIKAWA:日本の石川馨が考案した特性と要因の関係を系統的に線で結んで(樹状に)表した図。日本の品質管理の父と賞され、QCサークル活動の生みの親。日本における品質管理、特にTQC(Total Quality Control、全社的品質管理)の先駆的指導者の一人である。


60チームが各々自分たちの問題について、このISHIKAWA図を使って原因の特定作業をしました。上の写真はあるグループのISHIKAWA図です。
どのチームも平均して、一つの問題に対して3~5個の原因を特定しました。

QCサークル(CCQ)チームでの活動

私は、これら各チームの活動に参加し、仕事のプロセスのどこに問題があるのかプロセス図を作ったり、ISHIKAWA図で原因を探し出す議論などに加わり、アドバイスなどをしながら活動しています。
従って、毎日3つの工場へ出向き、その日行われるCCQチームのカイゼン活動に参加しています。各チームのカイゼン活動は、自分たちの職場で行われたり、会議室で行ったりします。
活動には、工場の管理者または品質管理者、そこの工程のリーダーが参加して行います。上の写真は、あるチームの職場での活動状況です。

評価会議

発見した全ての原因に対して対策を検討し、それを実行していきます。
対策の主な内容は、7つのムダの削減、5Sの実行、見える化の実行などです。作業方法を変えたり、装置などを工夫して作ったり、作業者各々が自分のやり方で行っていた作業を一番良い方法に標準化したり、作業レイアウトを変えたりなど、自分たちでできる色々な対策を実行しています。
このカイゼン活動は、作業者を増やさず、お金をかけず(機械や装置などを購入せず)職員が自分たちでカイゼン活動を行えることが特徴です。今、COPASULにある材料や資源などを使ってカイゼン活動を行っています。
対策が完了したら、そのカイゼン内容を自分たちのグループだけでなく、他の関係する人達にも実施してもらわなければなりません。そのため、「評価会議」を開き全関係者に対してカイゼン内容の説明をします。また、訓練が必要なカイゼンはそれら関係者への訓練を実施します。
評価会議のあと、関係者が今回のカイゼン内容に沿ってある一定期間作業をし、その結果を「標準化会議」で話し合い、最終的な対策とします。
今月でほぼ殆どのチームが一つ目のカイゼンを終了します。12月から各チームが順次2つ目のカイゼン活動をスタートします。

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