JICA海外協力隊の世界日記

ブラジル日系社会からの通信

QCサークル活動2

カイゼン活動その2

カイゼン活動に必要な知識、技法や手順などの教育講座を設け3つの工場の全職員へ教育を行いました。主な内容は「ムダの削減」、「5S」、「見える化」、と「問題解決手法」などです。
その後、QCサークル活動で行うカイゼン活動の模擬演習としてワークショップを2か月間実施しました。ワークショップではいくつかの問題事例を提示し、それをどのようにして解決していくかを具体的に演習してもらいました。ワークショップに参加した職員を4~5人に分けてチームをつくり、提示した問題事例について、問題解決手法の手順に沿い、現状分析、原因分析、対策の立案などの体系的な活動をしてもらいました。これを数回実施し、カイゼン活動の手法を身に着けてもらいました。
そして、8月から各工場の同じ工程で働く人で5人位のグループを1チームとしてQCサークル(ポルトガル語でCCQ)活動をスタートしました。
合計60チームができこれらの各チームが自分たちの仕事の中で、問題を発見しその問題のカイゼンに取り組んでいます。

上の写真はあるチームのカイゼン活動の様子です。私は、これらのチームの活動に参加し、アドバイスや指導をしています。従って、ほぼ毎日これら3つの工場の各チームの活動に参加し駆け回っています。

ムダの削減

上の写真は、あるQCサークルチームが作業者の動きをスケッチし、調査したものです。毎日の作業の中で機器のレイアウト、材料の配置、製品の配置などが悪いため、作業者は多くの動きをせねばならい「動きのムダ」がおきています。このチームはカイゼン活動で、このムダな動きをなくすため、機器のレイアウト変更を行いました。その結果、作業の効率化が図られました。
また、前工程の作業が遅れているため作業する物が来ないとか、工程の作業能力が低い為、次の工程の作業者は待たねばならない「手待ちのムダ」がおきてる場合があります。
これらのムダを削減する活動がカイゼン活動で第一に取り組む問題です。

5S

また、もう一つの大きな活動が5S活動です。
各工程で使ういろいろな機器、材料、工具などがきちんと整理、整頓、清掃されていないため生産性の低下、生産品質の低下の問題が発生しています。
上の写真は、あるチームの5Sのカイゼン活動の結果です。自分たちが使う機器、工具、作業箱などの設置場所を決め、床に黄色いラインで識別し、壁にはその場所に置く機器などの「名前の札」を掲示しました。また、床の清掃を定期的に実施することも決めて、実行しています。
いままで、機器類は使った作業者が色々な場所においていました。次に使う人は、その機器を探す必要がありましたが、今は必要な機器が決められた場所にいつもあります。仕事の効率がアップしました。
全ての職員が習慣的に5Sを実行するまでには、ある程度の時間がかかります。一人でも実行してない人がいれば、職場の整理、整頓、清掃が乱れ他の人に迷惑が掛かります。
全員が習慣的に5Sを実行するまでは、5Sチェックリストを作り工程のリーダーなどが実行状況をチェックし指導していくことが重要です。
このカイゼン活動を通し、工場の全ての職員が5Sを実行し、ピカピカの工場にしたいと考えています。

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