JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

17年ぶりの再会 その2

 今日は、青年海外協力隊の理数科教師として2000年7月から2002年7月まで活動していた高校を訪れてみました。17年ぶりの校舎は、壁の色が黄色から水色へと変化していたことと、校舎の一部が立て替えられていた以外は、ほとんど当時のままでした。その時に共に働いていた職員のほとんどは別の職場に移ってしまっていましたが、その中で当時の私を覚えている方が一人だけ、事務室で今も働いていました。事前連絡なしの突然の訪問にも関わらず、親身になって私の話を聞き、当時の資料を一生懸命探してくれるマーシャルの人々の優しさは全く変わっていませんでした。すぐに私が担任をしていたクラスの成績表が見つかり、その中の生徒をみんなで見ていると職員の一人が驚きの声を上げました。「あなたのクラスの生徒は、この学校の校長先生になっています。」

 校長先生は、私の数学の試験で常に100点を取っていた生徒でした。当時から非常に優秀な生徒の一人ではありましたが、30代半ばで校長先生になるほどの人材であるとは夢にも思っていませんでした。彼女はマーシャル国内の短大を卒業後、アメリカ合衆国の大学へと進み、その後はオレゴン州で働いていそうですが、3年ほど前に校長として母校に戻ってきたそうです。当時の先生方や生徒たちの思い出話をしながら、彼女と一緒に学校内を見て回りました。

 敷地内には、かつて私が生活をしていた部屋が当時のまま残っていました。かつては職業訓練の教室として使われていたものを、青年海外協力隊員用の住宅として改装したもので、現在も教員住宅として利用されているとのことでした。通勤時間は0分で、昼食後に昼寝をして授業を寝過ごしてしまっても、ちゃんと生徒が起こしに来てくれる、とても恵まれた環境の住宅でした。しかし海抜1メートルほどしかないこの国では、当時から地球温暖化の影響を受け、私の2年間の滞在中も一度だけ浸水の被害を受け、家の中まで海水が入ってきました。親日的で、親切で、明るく、平和を愛する人々の国土が消滅の危機に瀕していることは、とても悲しいことです。

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