2019/11/22 Fri
文化
感謝祭と複雑な問題


「トマホークチョップはアメリカ先住民に対して人種差別的な行為である。」というニュースをこれまで度々目にしたことがありました。アメリカのメジャーリーグや大学スポーツで行われている応援スタイルの一つにトマホークチョップというものがあります。アメリカ先住民の斧であるトマホークを模したグッズを振るトマホークチョップなどの行為は、本来のアメリカ先住民の文化や風習とは大きく異なり、それを差別的と捉える人もいるので気を付けるべきものと理解していました。


娘が通っている学校では感謝祭の行事が毎年開催されています。クラスをピルグリムとアメリカ先住民の二つのグループに分けて、それぞれそれを模した衣装を着て登校し、様々なゲームをして楽しむ日となっています。感謝祭について学校では、イギリスからアメリカに最初に移住してきたピルグリムと呼ばれる人々が、アメリカ先住民の人々から農業などの技術を学んだお礼として、収穫を祝うパーティーに招いたことが始まりと学んでいましたが、色々と調べてみるとこれにも諸説あり、かなり複雑な問題のようでした。私がこの行事で最も驚いたことはアメリカ先住民のグループになった子供たちの衣装でした。そのほとんどはかなり古い映画やアニメーションに出てくるアメリカ先住民そのもので、そのほとんどが本来の彼らの姿とは全く異なり、おそらく差別的なものと判断されてしまうものばかりでした。もちろん心優しいポンペイの人々は、彼らに対する差別意識は全く無く、ステレオタイプのメディアの影響を受け、アメリカの宣教師から教えられたものをそのまま行っているにすぎません。それにしてもちょっとこれはやりすぎではないかと感じました。


風習・文化・宗教が絡むこれらのことに対して、単純に良し悪しの判断をすることはとても難しいことです。いろいろと考えさせられた日となりました。
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