JICA海外協力隊の世界日記

太陽と海と雨の島

ポンペイ島の夕日

 電子が光を吸ったり吐いたりする現象をご存じでしょうか?電磁波の一種である光は様々な物質との間で反射、散乱、吸収、屈折などの現象を生じますが、それらは物質内の電子による光の吸収と放出で説明することができます。私は大学院生の時に、光と磁気の相互作用による散乱現象を利用して鉄の表面の磁性を研究していました。その時に、自然界には様々な種類の散乱現象が存在することを学び、そしてその理論の難解さに大変苦しめられました。最近、ポンペイでは美しい夕日をよく目にすることができます。夕日を見ながら、そんな20年ほど前のことを思い出しました。

 電磁波の波長と比較して粒子の小さい物質による散乱をレイリー散乱といい、夕日は空気中の分子と太陽光によるレイリー散乱によって生み出されています。レイリー散乱では波長の短い青い光は散乱されやすいが、波長の長い赤い光はその影響を受けにくいので、地表までその光が届きます。

「美しい夕日は、電子が光を吸ったり吐いたりしたおかげ。」夕日を見ながら妻と娘にそのような説明をすると、妻の表情が険しくなりました。なぜ美しい夕日ができるのか、その理由を説明するのには、まだまだ修行が足りないようです。

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