2021/03/08 Mon
人 生活
パラグアイのバス
こんにちは!
パラグアイの家族に雪の写真を送ったら、
強い日差しの下、川で泳いでいる動画が送られてきて、パラグアイの夏が一気に恋しくなった向井歩です。
今回は、隊員の移動に欠かせない長距離バスについてお話します。
長距離バスは、日本とあまり変わらず、首都や大きな街ではターミナルが存在し、時刻表に沿ってバスが運行しています。
同じ出発地・目的地でもバス会社や設備によって料金が異なり、
首都から私の任地までは60,000Gs~200,000Gsでした。日本円で言うと1,000円~3,200円程度です。
所要時間は7時間なので、日本での東京⇔大阪間と同じくらいです。
そう思うと、パラグアイのバス運賃は破格ですね。
200,000Gsのバスは、全座席指定はもちろん、軽食やお酒すら出てくる、日本と同等もしくはそれよりも豪華なバスです。
高級バス。「SERVICIO PLATINUM(プラチナサービス)」の表記があります!!
3列独立シート、ブランケット付き
運転手とは別に客室乗務員も居て、軽食などのサービスを受けられます。 バスの写真を撮っていたら、「俺らのことも撮って」と言われました。(笑)
一方で、100,000Gs以下のバスを選んだ場合、なぜか座席が破壊されている、
爆音のスピーカーで音楽を楽しむ乗客がいるなど、快適とは程遠く日本では考えられない光景が広がっています。
お財布には優しいかもしれませんが、心には優しくありません。
価格帯が高めで本数は少ないけれどハズレがないバス会社を選ぶか、
一時間に一本出ているけれども当たりハズレの大きいバス会社を選ぶか…。
時には隊員同士で「何時のどのバス会社が当たりか」という情報交換をして、快適なバスの旅を楽しみます。
ちなみに、選んだバスが本当に「当たり」なのかは、実際にバスが来るまでわかりませんし、
「当たり」のバスに乗っても目的地に着くまで安心はできません。
パラグアイのバスは、どんなに設備が豪華でも見た目がピカピカでも、中身はそうでもないのか、突然故障することがあります。
一度だけ、高い運賃を払い、3列シートのリクライニングをフルで倒してゴロゴロしていたところ、
バス停でも街でさえもない草原が広がる郊外で突然バスが停車し「全員次のバスに乗り換えてくれ」と言われたことがあります。
真夏に1時間冷房の切れた車内で待たされ、その後1時間半車外で待たされ、
やっと来た次のバスで2人掛けの壊れかけの座席にぎゅうぎゅう詰めで座らされるという、地獄を経験しました。
もちろん、運賃の払い戻しはありません。
この時はさすがに、いつも「tranquilo(まあ、落ち着いて)」と言っているパラグアイ人たちもイライラしているようでした。
さて、そんなワクワクドキドキなバスとセットで楽しめるのが移動販売です。
ターミナルや途中の停留所で、サンドイッチやチパ(パラグアイのチーズ入りパン)、
ジュースなどを持った売り子が登場します。変わり種では、ポータブル充電器やスピーカーなど(だから爆音の乗客が発生するのでは…)の
小型電化製品を売りに来たりもします。
時には、バスの外からも営業されます
キャンディーやガムなどのおやつを売っているところ。手作りの道具も工夫がされていて要チェックです。
売り子たちのすごいところは、どんなに車内が混雑してようが、
車内の一番奥までちゃんと売りに来るところです。
無理やり人と人の間をすり抜けて、取りこぼした客がいないかチェックしてから次のバス停で降りていきます。
日本の新幹線でもそうなのですが、私は移動販売に遭遇するとわくわくして必ずいつも何か買ってしまいます。
私のお気に入りはチパです。たまに、冷めてカチカチになったチパにあたることがありますが、
温かいもちもちのチパは旅のお供にうってつけです。
ただし、何か飲み物は必須です。
パラグアイの経験を踏まえて日本で生活すると、日本の人々の無駄のない動き、
痒い所に手が届くきめ細かなサービスは世界一だと実感します。
しかし、あまりにもせかせかしているような気がしてなりません。
時折、バスをはじめパラグアイの突っ込みどころ満載のおおらかな生活が懐かしくなります。
それではまた!
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