JICA海外協力隊の世界日記

マダガスカル日記

#2マダガスカルの体育教師

マダガスカルに来て約8ヶ月経過しました。JICA海外協力隊は開発途上国で2年間ボランティア活動をするプログラムです。4分の1の期間が終了しました。
任地でのボランティア活動が開始され約7ヶ月経過しています。ボランティア活動を通じて、私の存在意義を認識できる日もあれば、無力感を感じる時もあります。

現在は、任地の教育機関で体育教師として活動しています。私の赴任以前から体育が実施されている教育機関もありました。私のボランティア活動が、絶対的に必要なことか問われると、必ずしもそうでは無い状態という事になります。
その中で、ボランティア活動を通じて、どのように付加価値を生み出していけば良いのか日々考えています。

活動から得た学び、日常生活から得た新しい気づきを整理して、アウトプットすることが、私が日記を書く目的です。

今回は「仕事」と言う観点で学んだ事について書いていきます。
ボランティアの観点よりも、より具体的に書きたいと思ったので、あえて仕事という観点で書きます。

結論から言うと「仕事は掛け算で進めていく。」と言うことです。抽象的なのでもっと具体化していきます。どんな環境であっても、仕事する上で結果を出さなくてはいけません。組織に所属していようが、独立して一人でやっていようが、プロジェクトごと最適なチーム構成でやっていようと、個人単位で見ると何かしらのアウトプットで価値を生み出さなくてはなりません。

求められていることは最低でも達成する義務と責任があります。そして、生み出した結果、対価を得ることができると思っています。

価値や結果を生み出す上で最低限の行為が、「自分のできることを最大限する。」と言うことです。仕事を任されている以上、何かしら自分の持っているスキルやポテンシャルを評価されていると言うことです。
私で例えるならば、「体育指導をするという事です。」

ならば、それを存分に発揮することが最低限レベルということは誰しも自覚しなくてはいけないことです。

「仕事は掛け算で進めていく。」を最もシンプルな計算式に置き換えるとすると、「X掛けるY=アウトプット」になります。これは一番簡単な考え方です。掛ける要素を増やしていくことで、アウトプットや評価を変えていくこともできるということです。

XとYに「自分のできることを最大限する。」を代入したとします。

同じものを掛けているので、自然とアウトプットも、ある程度予想することができます。この行為を悪いと言いたいわけではありません。これが最低限レベルということです。この最低限の考え方はボランティア活動が始まった頃の私の考え方と、「仕事」に向き合う姿勢の表れでした。

その結果、私は2年間の活動のゴールと、自分の成長度合いをある程度予想することができました。なぜなら自分のできる範囲で全てのことが完結していたからです。
これは完全に主観的意見ですが、このままの活動を続けていくなら、私がこの村でボランティア活動する意味は無い。もっと適任者は存在しています。

そこで考えました。Yに何を代入するべきなのか、結論から言うと、それは毎回変わります。その中でも私が大切にしていることがあります。
それは、「やったことないことにも挑戦する姿勢です。」きっと誰しも少しは挑戦したいことがあると思います。
それでも、できない理由を探して、できる方法を考えようとする姿勢をとりません。

私はあえて難しいことに挑戦する姿勢を取ろうと決めました。そのためにマダガスカルに来たからです。
具体的には、今月から高校で日本文化紹介と日本語レッスンを開始します。日本文化レッスンでは料理教室や釜戸作りも予定しています。

もちろん経験はありません。

釜戸作りを予定している背景を説明します。

マダガスカルのほとんどの地域では、木材で火をおこしています。木材の消費量も年々増加傾向にあり、森林伐採はマダガスカルが抱える問題の一つです。
現在、料理に使っている器具では効率よく火を利用することが難しく、無駄に木材を消費しています。JICAの釜戸作りの技術を利用してこの問題にアプローチし、製造面で資金を生み出すことができないかを考えました。

その結果、学校の抱える問題解決に一歩でも近づけないかと思いました。
体育で使う器具を購入する資金がないなら、資金を作り出せる方法を考えればいいだけです。

私が資金を出せば最も迅速にこの問題は解決するのかも知れません。しかし、それでは私が日本に帰国した際、同じ問題が発生します。ならば、学校の生徒と先生が協力して自ら資金を作り出せる環境構築をサポートすることが私の役割であると考えました。

これはあくまで私の理想です。もちろん理想通りに、事が進む確率は極めてゼロに近いと思います。
しかし、そこに挑戦していくからこそ、価値があるのではないでしょうか。

たくさんの人の考え方や個性があるとするなら、私が難しいことに挑戦する姿勢が、他の人に代替えできないレベルまで成長すれば、私がこの村でボランティア活動する意義の一つになります。

その他にも、もっと考えていることはあります。

最も重要なことは現地の人と足並み揃えながら、相乗効果でお互いがレベルアップしていくことです。

今回は、「仕事」の観点で日記を書きました。
うまく文章にまとめることは得意ではありません。この日記も私にとってある意味挑戦です。

挑戦で大切なことはその大きだけでなく、するか、しないかだと思います。

これからもコツコツ挑戦していきます。

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