JICA海外協力隊の世界日記

南太平洋の陽気な島フィジーよりBULA!

創意工夫が見えたEXPO

私の配属先主催のWomen's EXPOが開催されました。

配属先の管轄は本島であるビチレブ島の東側半分を占めます。首都であるスバとその近郊は道路も舗装されており、それなりに都心へのアクセスも悪くはありませんが、多くの人がまだ道路も舗装されていない山奥で農業を営みながら暮らしています。伝統工芸品を作ったり洋裁をしたりしていても、普段はコミュニティ内で親戚や近所の人たちに提供するぐらいで、彼女たちの作品を多くの人が目にする機会はありません。

National Women's EXPOに参加する女性たちを選ぶ場でもある今回のWomen's EXPOには200名強の女性が集まりました。そのうち半数以上はEXPO経験者。彼女たちには収入向上のヒントとして、看板や名刺の作成、価格の明記、魅力的な陳列方法などを伝えてきました。その中で最も伝えたかったのが、オンリーワンの作品を手がけること。たとえ同じものを多くの人が販売していても、何かその人の独創性やちょっとした利便性などがあれば、それだけで付加価値が付くし、その人だけが作っているなら需要はその人に集中します。

今回は私にとって任期期間中最後のEXPOでした。女性たちが遠路はるばるたくさんの作品と共に首都に集結。会場内をさっと見て回っただけでも、2年前のEXPOに比べて、創意工夫を凝らした作品が見て取れました。

そのうちの一つがこのホウキ。

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この元になっているのはフィジーでササと呼ばれる、ココナッツの葉の芯で作られる伝統的なホウキです。

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元々は私の身長の3分の2ぐらいあるような長いホウキですが、こちらは小ぶりで窓のサンやちょっとした所を掃くのに適しています。こんな小さなホウキ、多分、フィジー初です!

さらに彼女はフィジー伝統のゴザを編む素材で頭につけるカチューシャを包み、花輪の一部をカチューシャの飾りに使って可愛らしい髪飾りを作りました。

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このカゴバッグもハンドバッグぐらいの小さいサイズ。フィジーでは大きなカゴバッグはたくさん見かけますが、このサイズのものは見かけません。

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「あなたがアイデアをくれたから、小振りで誰も作ってないようなものを作ってみたよ。どう?」

「今まで何の疑問も持たずに、ただ当たり前のように大きなものばかり作っていたけど、初めて小さいバッグを作ってみたよ」

女性たちからこのように声をかけられたことがどんなに嬉しかったことか。2年近くフィジーで活動してきた私の思いが伝わっているのを実感できた瞬間でした。

ある日突然、知らない外国人が目の前に現れて、滔々とビジネスの話をする ー どんな人なのか、どんなバックグラウンドがあるのかもわからない人物。信用に値するのかどうかもわからない人物。

それでも話に耳を傾けて、その言葉を信じて、自分たちの作品作りに活かしてくれた女性の皆さんの勇気がとてもありがたく感じます。

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