JICA海外協力隊の世界日記

南太平洋の陽気な島フィジーよりBULA!

小さな種蒔き

所属している事務所の写真です。

私はこの光景が嬉しいんです。

何がいいかって、奥に重なっている白いイス!

私がこの事務所に来た当初は雑然とあちらこちらに散らばっていました。

どこにでも出しっぱなし、場合によっては転がっている。歩行の邪魔になって無意識に蹴飛ばしてしまってもそのまま。

そこで心に決めました。まずは何も言わずに背中で見せてみよう、と。

文化が異なる国に来ているので、とにかく何でも実験です。

変化が表れ始めたのは年末。私がフィジーに来て約5ヶ月が経った頃。

みんなとのランチの後に私は普段どおり自分が使ったイスを片付けて、次に同僚が使ったのを片付けよう...としたら、他の同僚がイスを運んでいました。すごい!!背中、見てくれてたんだぁ〜と嬉しくなりました。今でも続いています。

この5ヶ月、職場の皆さんと接する中で彼らの様子を観察し、言葉を交わしながら、私に何ができるだろうか?と考えてきました。

もちろん、私の活動は村の女性たちの経済的地位向上、データ収集であって、同僚たちが直接の対象ではありません。でも、まずは足元から、身近なところから整える。なぜなら、現場となる村を訪れて女性たちのサポートをする同僚たちの心身が整っていてはじめて良い仕事ができる、良い職場環境になっていくと思うからです。

日々、同僚と会話をし彼らが考えていることや意見を聞きつつ、12月に入ってから少しずつ私のアイデアを個々に小出しに告知。

曜日ごとに日替わりで同僚たちと取り組む活動を決めました。

例えば月曜日の朝は朝礼(立った状態での短時間のミーティング)、火曜日は健康について考える、という感じです。

2024年に入って本格始動。

まずは1週間。まだ全員参加にはなっていませんが、半数以上が協力的で1週間のメニュー全てを実行することができました。

もっと嬉しいのはそれぞれが自主性をもって自分のために何かに取り組み始めていることです。

毎日のように2時間以上遅刻していた人が定時30分以内に出勤するようになったり、率先して気づいた時にトイレ掃除を自主的に行う人が出てきたり。野菜を積極的に摂りましょうという話をしたその日から毎日のランチに野菜を取り入れてそれを続けてみたり。

まだ始まったばかりなのでこの先、紆余曲折はあることでしょう。

それを見越して小さな種蒔きを続けます。芽が出そうになければ土を耕し直しつつ。

ある同僚が言いました。

「Emiが来てから僕は自分の健康を考えるようになった。そして僕はお父さん、一家の主人だから妻も子どもたちも僕に従って同じように健康的な食事を少しずつ始めている。Emi見てて。Emiが日本に戻る頃にはみんなずっと健康体になってるよ!」

私は彼の言葉を信じたい。

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