JICA海外協力隊の世界日記

南太平洋の陽気な島フィジーよりBULA!

ティリバ村の生活ーその2ー

首都スバから南へ約120kmのカンダブ島の村に行ってきました。5月に続いて2回目の訪問です。村の女性たちの小売店経営の支援の一環で、モニタリングと経営戦略のアドバイスをしました。

カンダブ島へのフェリーの運航は2024年8月現在週に1本しかありません。そのため、短期滞在でも1週間滞在することになります。しかも、村の外れに高級リゾートホテルがあるものの、運営されていない日が多く、村の中には他に宿泊するところもないため、現地でホームステイをします。

村の朝は火を起こすところから始まります。

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山から拾ってきた木片やココナッツの殻を乾燥させて薪として使用します。青空の下で調理をする家庭もあります。

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ケロシンという純度の高い灯油が手に入る家庭ではこのような調理道具もあります。

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とはいえ、輸送の手間ひま、費用がかかる離島では燃料がいつも手に入るわけではなく、多くの家庭で火起こしから調理を始めます。そのため、お湯を沸かすのも一苦労。お茶を飲みたいときにすぐにお湯を沸かす、というわけにはいかず、私がホームステイさせていただいていた家庭では、温かいお茶が飲めるのは朝晩2回。

南半球に位置するフィジーは常夏とはいえ、この時期は冬の季節にあたり、朝晩や天気が悪い日は肌寒いのです。寒い日は20度を切ることもあります。

電気もガスもないということは、シャワーも冷たい水です。この村の水の供給は地下水で賄われています。

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そして青空の下でのシャワー。

水浴びをして冷えた体を温めるために温かいお茶が飲みたいな、と思ってもお湯がありません。

この村では数年前に中国からの支援で各家庭にソーラーパネルが設置されていますが、蓄電量は少なく、夜の裸電球1、2個と家族のスマートフォンの充電がやっと、というところです。

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そのため、ジェネレーターを持っている家庭でない限り、テレビや冷蔵庫はもちろん、洗濯機もなく、洗濯も手動で行います。

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この写真にある長くて白い棒は「グーロン」と呼ばれます。バケツに洗濯物と洗剤、水を入れたらグーロンで上から押し洗いします。小柄な私にとっては長すぎて、しかもそこそこの重量があるので腕が疲れます。

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こちらの女性は板の破片を洗濯板のようにして洗濯していました。グーロンとどっちが洗濯しやすいか尋ねると、グーロンの方が便利でラクなのだそうです。

私はグーロンの使い方が下手すぎたようで、ホームステイ先の方が見兼ねて洗ってくれました(笑)

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洗いおわったら脱水...また力仕事だ!と思ったら絞らずそのまま物干しへ。村の人たち曰く、絞らなくても太陽と風が自然に乾かしてくれるから大丈夫、とのこと。途中で通り雨が何度かあって、仕事をしている間も洗濯物を取り込まなくていいのだろうかと気になっていたのですが、夕方、半信半疑で洗濯物を取り込んでみると、しっかり乾いていました。

馴染みのないことは現地の人の言うことを聞いてみるものですね。

それにしても、自分自身がいかに文明の利器に頼りすぎているかが身に沁みた1週間でした。

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