JICA海外協力隊の世界日記

南太平洋の陽気な島フィジーよりBULA!

離島医療

ある村を訪れたとき、医療チームに遭遇しました。

医師、看護師、保健師、歯科医師がチームを組んで村を巡回、終日その村の人々の健康診断や治療に携わります。場所は村のコミュニティホール。医療チームは必要な機材や薬剤等、全てをボートに積んで持参します。

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何か症状がある人は患者として受診。

身長や体重、血圧などの基本的な健康診断もここで受けられます。

糖尿病、高血圧など既往症がある人もここで受診し、医師の診断を仰ぎ、お薬をもらって帰ります。

この日、大盛況だったのが歯科治療。

コミュニティホールに必要最低限の機材を持ち込んでの治療になるため、歯科用ユニットと呼ばれる治療用の台座もリクライニングシートもライトも何もありません。

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この日、最初の患者さんは6歳の女の子。虫歯が2本の治療です。1本は抜歯、1本は削ることになりました。イスがリクライニングにもならないので、上を向いて口を開けた状態を自分で保つしかありません。そのため、お母さんがそばについて介助します。うがいもすぐそばにあるわけではないので、治療を少し施しては会場の外のトイレまで口を濯ぎに行きます。治療する箇所が多ければ多いほど、何度も行ったり来たり...

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順番待ちをしているため、大勢の村人たちに見守られながらの歯の治療。

その建物の壁一枚挟んだ外ではフィジーお決まりのカバセッションが行われていました。

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歯の治療で抜歯しないといけないことはわかっているけれど、怖くて踏ん切りがつかないという男性が順番待ちと言いつつ、ずっとカバを飲んでいました。

5杯以上カバを飲んだころ、彼は意を結したようにゆっくりと立ち上がり、治療に向かって行きました。

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彼は鎮静作用があると言われるカバを飲みながら心を落ち着けていたんだよ、と周りの人が教えてくれました。本当に効果があるのでしょうか?そもそも、治療前にカバは飲んで良い飲み物なのでしょうか?

この医療チームの拠点はモアラ島ナロイ村のヘルスセンターで、モアラ島の他に近隣のマトゥク島、トトヤ島も管轄下にあります。そのため、医療チームは定期的に3つの島、合計20の村を約3ヶ月に1回のペースで巡回しているそうです。

医療チームの巡回がない間に病気にかかれば患者が自分でボートに乗ってヘルスセンターまで向かわなければなりません。そのため、病気に気づかないか病気にかかっても放っておく人も多いようです。離島生活の厳しさを感じた一日でした。

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